テレビ、・・・


 この数年の間に、テレビを中心にしたメディアの腐敗は、目を覆うことばかりである。


 情報の質は凋落し、夜、家族の団欒の時間帯では、芯から腐ったようなバカ番組が溢れかえっている。



 あんた、テレビ見て、笑っている場合じゃないぞ。



 出演者の9割は、いわゆる「お笑い芸人」である。どんなシリアスな話題でも、どんな高尚な話題でも、彼ら「芸人」のフィルターを通すと、すべて「知らないことを誤魔化すこと」が、人間関係の潤滑油であるかのように振舞っておる。


 「芸人」とは、何だ?知らないことを知らなかったと真摯に学ぶ態度より、知らなくても生きていけますと開き直ることの方が「カッコいい」のか?


 政治をバラエティー化し、「芸人」教育のようなクイズ番組が幅を利かしている。これって「芸人」は、バカで下品で脳足りんと自白しているのだろうか。



 こんな番組を制作しているテレビ局は、視聴者という名の国民を、心からバカにしているのだろう。政治家も、人気と出演時間宣伝のために、ディレクターなる時間の奴隷に屈服している。


 そして最近の芸人は、影では、実に威張っている。「芸の肥やし~は、・・・」か?肥やしの量で、人の質が決まるんかい、・・・。


 だから中身のないオンナタレントが、次々と「芸人」達の前で転んでいる。そして判で押したように、離婚である。これは「肥やし」ではない、噴飯である。



 彼ら「芸人」と呼ばれる若者が、自分のテレビパフォーマンスが、どれほど人の精神を鈍化させているか分かっているのだろうか?


 テレビ局に良心がないという事実。これこそ社会に害毒を撒き散らす元凶ではないか。



 ちょっと流行れば、図に乗り、威張り、先輩という「芸人」には、テレビの前で、臆面もなく恭順の意思を示し、媚びへつらう姿は、実に卑しく、浅ましいばかりである。・・・こんな人間にはなってはならない。


 「芸人」の所属する会社とは、本当の謙虚さも、矜持も身につけられないような、体育会系以前の、おどろおどろしい社会としか考えられない。



 そんなバラエティー番組のスポンサー企業も、おそらく同質であろう。本音では、国民は騙すためにある。嘘でも、100回流せば、真実と信じ込むと見切っている。


 昼の番組では、健康をキーワードにして、いろんな食材が紹介されているが、そのほとんどが仕掛けである。


 バラエティー番組に出て、モッタイブッテ批評する評論家の言葉には、信じるに値するものは皆無である。彼らは、世のために喋っているのではない。すべて自分の生活のためである。


 テレビは高尚である必要はない。が、発信するに値するものぐらい選別せよ。それができなきゃ、放送なんか止めっちまえ。