新興住宅地の中にある白い屋根の一軒家。60坪ほど の土地で区切られた家の連続。周囲の家は門を持つのに、母親の趣味で膨大な数の住宅の中でただ一つの門が無い家。
ドアの前に植えられた蘇鉄の木は雄株が病気により枯れ、雌株は数年に一度芽生える事の無い種をつける。小学校の時に葉から育てた紫陽花は毎年夏になると茂り、母親に切り刻まれる。秋の紅葉は四方を囲んだ山を染めて、黄色だったり赤色だったりの微妙なグラデーションを描く。震災の年に祖父が植えた紫式部も大きくなって毎年実をつける。
冬になると自動車の硝子に氷が張り付き、お湯で溶かしてから家を出る。ついでに道路も凍っているから坂道のブレーキングは要注意。近くにある川の澱みに氷が張り、小学校に行く子供達が割って喜んでいる。
桜は山にない。その代わりに春は辛夷が白い花を咲かせる。その花は遠目に見ると山の新緑に混じって真っ白に見えるが、近づいてみると淡い黄色を含んだクリーム色。
それが私の住む家。
ドアの前に植えられた蘇鉄の木は雄株が病気により枯れ、雌株は数年に一度芽生える事の無い種をつける。小学校の時に葉から育てた紫陽花は毎年夏になると茂り、母親に切り刻まれる。秋の紅葉は四方を囲んだ山を染めて、黄色だったり赤色だったりの微妙なグラデーションを描く。震災の年に祖父が植えた紫式部も大きくなって毎年実をつける。
冬になると自動車の硝子に氷が張り付き、お湯で溶かしてから家を出る。ついでに道路も凍っているから坂道のブレーキングは要注意。近くにある川の澱みに氷が張り、小学校に行く子供達が割って喜んでいる。
桜は山にない。その代わりに春は辛夷が白い花を咲かせる。その花は遠目に見ると山の新緑に混じって真っ白に見えるが、近づいてみると淡い黄色を含んだクリーム色。
それが私の住む家。