プロの実戦からサバキの場面を抜粋します。

比較的簡単な、すぐに実戦に応用できそうなものを選んでいきます。

 

〇1

黒:藤沢秀行 白:杉内雅夫

第1期全日本第一位決定戦挑戦者決定戦

「棋聖秀行の碁2 盛り上がる厚み」掲載

 

 

↑△とされたところ。黒はどうやってさばく?

↑黒1と下がる。これは比較的よく出る手筋で覚えておくべき。

手筋の効果は3以下に表れ、黒は中央の白模様を消す足がかりができる。

 

〇2

↑同じ碁から

白1と上辺を守ったとき黒は2と模様の接点に先着。

白3の連打に対して、隅の黒をどうさばく?

↑1ともたれて相手の出方を見る。白2にたいし跳ね返し9まで収まった。

↑白2と立つと黒3とし、隅で収まることができる。

 

 

〇3

第34期女流名人戦挑戦手合三番勝負第2局

黒:上野愛咲美 白:藤沢里菜 

 

↑△の二子のサバキを問う

↑白1としてa~dを狙えば容易にとられることはない。

 

↑仮に黒2と来たら最低限コウにすることはできる。

 

〇4

第2期名人戦(旧)挑戦手合七番勝負第1局

コミ5目

黒:坂田栄男

白:藤沢秀行

「現代の名局 坂田栄男 下」誠文堂新光社刊 に掲載

 

 

↑白はどうさばく?

↑3,5とツケ切りでサバいた。

Katagoは4と攻撃的な手を選んだ。下辺への逃げ道が残っているためか。

この後、白の藤沢に右辺で鬼手が放たれたが、結果は黒1目勝ち。

 

〇5

https://www.101weiqi.com/chessbook/chess/32884/?step=27

黒:林海峰

白:加藤正夫

昭和61年 加藤正夫王座の次の一手②に掲載

 

↑△に打ち込まれたところ。白はどうさばく?

↑手筋本などにも載っている基本的な手段だが1が正解。

4と切られたら捨てるのがわかりやすい。

↑1(a)

このようにポン抜かせるのはさすがに良くない。全局的にも手厚く無駄がない。

↑黒2と立ってきたときの対処例

 

〇6

第2期名人戦(旧)挑戦手合七番勝負第3局

黒:坂田栄男 白:藤沢秀行

昭和の名局 坂田栄男 下巻に収録

↑△とされたところ。

黒は左下白を取ることで逆転を狙っている。白はリードが大きく全取られしなければ勝ちの形勢。

白はどうしのぐか。

 

↑白1から5のカケ

↑黒が1からこの線を切ってくるのはあっさりつながる。

↑実戦の進行。

白は4から捨て石を大きくして左下に一眼を確保。22まででもう一眼確保して勝勢確立。

 

↑黒5と隅の眼形を奪ってきた場合は6のカケからコウになる。

コウは黒やれない。