「囲碁妙伝 (上・下)」

幻庵因碩(十一世井上因碩)著

高木祥一 解説

教育社 刊

 

教育社は無くなり、ニュートンプレスから後に出版された。

教育社の囲碁古典シリーズはなかなか読み応えがある。

 

士と農の部に収録されている定石解説は現代では価値が低いとみなされ割愛されている。

商の部には当時の新手、定石の工夫、好手が紹介されているがこれが面白い。

完成された定石を覚えるよりも、ちょっとした工夫を理解するほうが応用もきくし

個人的には興味があります。

 

手順に御城碁譜との相違がある場合、総譜では原書はままで展開図では修正されている。

 

幻庵の実戦を中心に幻庵の簡潔なコメントが記載されているが、その解説を高木九段がされている。

上巻は農、工の部が収録されており下巻は商の部が収録されている。

 

高木九段の解説が簡潔であるが、実戦譜や幻庵のコメントを楽しむのに十分かと思います。

レイアウトも見やすく、個人的には突っ込んだ解説で迷子になるよりずっといいと思いました。

 

方円新法はバイブルとなりえますが、

囲碁妙伝は読み物的な興味もあり古典が好きな方には面白いと思います。