呉清源 著
誠文堂新光社 刊
呉清源による打碁自戦の詳細解説4局が収録されている。
昭和36年の打碁4局で第3,4局が三強戦でコミなしである。
相変わらずコミ有り無しが混在しているがそれについて明記がなく自分で推測するしかない。
はしがきにあるが、この昭和36年に呉清源さんは交通事故にあわれ(バイクにはねられた)
病院で雑誌記事と自戦解説をしていたとのこと。
十番碁では無類の強さを発揮したがこの後あまりタイトルに恵まれなかったことを考えると
この事故は呉清源さんだけでなく碁界全体へ重大な損失を与えたと思う。
碁の内容としては目いっぱい頑張る呉清源先生の棋風がよく表れている。
2局目にまさか呉清源先生が大ナダレを間違えた一局が収録されてるとは。
藤沢秀行さんの書籍には自慢の一局だったみたいでたびたび現れる。
ずいぶん昔に買った本を今更ながら読んでいますが読み応えがかなりあり、
幾度かの引っ越しの時に捨てなくてよかったと思いました。
現代の碁は情報戦という感じですが、この頃の碁はオリジナリティの勝負という感じですし
棋戦が少なく勝ち負けの重みがはるかに重く、また違った面白さがあります。
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