山海堂 囲碁有段者シリーズ 局勢判断と応手

解説 橋本宇太郎

記述 二口外義

 

超ロングセラー囲碁有段シリーズの一冊。

二口さんは朝日プロアマ十傑戦でも名前がみられるアマ強豪の一人。

橋本宇太郎さんの古典詰碁の記述もされていてかなり強い人だと思われる。

 

実戦の要所要所で形勢判断を行っていくという形で進められていくが、

形勢判断を基にした打ち方の考え方は多くは出てこない。

題材としてプロ同士の碁も含まれるが多くはアマ同士の碁で、

どちらかというとアマチュアの悪手探しが主になっている。

手数は中盤早々までの短めで並べやすいし読みやすいのでこれはこれでありかも。

 

第3章はプロの実戦を題材とした次の一手形式の問題集になっている。

小難しい手筋よりも大局をどう見るかの解説がされている。

これは問題図までの手順が載っていないのが多少残念だが

寝っ転がって読めるほど見やすくわかりやすい作りになっている。

問題数は72問もあり、なかなかのボリューム。

棋譜並べが苦手な人はこういう本を眺めるところから始めてもいいと思う。

 

全体的に大局観の解説が多めになっている。

最近の棋書にはない内容量で題材が古いが中盤の解説が主になっているのであまり気にならない。

 

低段者や棋譜並べに不慣れな人にもお勧めできる。