勝負事で忘れられない事がある。

 

フェンシングをやっていたのですが所属の社会人クラブのメンバーは本気で全国を目指す人ばかりだった。

高校や大学で練習している人も出稽古に来ていたが、あまりのハードさに驚く。

もちろん健康志向や趣味として楽しむ人もいますが、

ガチの人は遅くまで残って練習をしていきます。

 

あるとき先輩とごはんたべているとき「お前は一度も剣の検査で落ちないな」と指摘されました。

フェンシングにおいて道具の調整はかなり重要です。

試合に2本だけ剣を使うことができて、試合の直前にその剣の検査が行われます。

そこで落ちないようでは上には行けないというのです。

2本持ち込めるからこそ、1本は少なくともギリギリまで攻めた調整にしなければならないというのです。

 

リスクを犯すとはこういうことなのかと、今でも鮮明に思い出します。

当時の自分にそういう考えはなかった。

相手の弱点が割と見える方でしたのでそこまでしなくても勝てるという変な自信がありましたが

上を目指すにはそれだけではダメだったのです。

 

ポーカーにおいてもショーダウンで必ず勝つということは、単なる絵合わせをしているだけに過ぎないのです。

もちろん絶対に見せないという戦略はありますが。

囲碁でも同じ。

安全におおくずれしないように最後まで打つ碁は、その時点で勝ちを放棄しているのです。

相手が更に弱ければそれでも勝てますが、少なくとも上達を目指す打ち方ではない。