「秀行の創造」シリーズの中でもっとも具体的な内容になっている。
他は割と抽象的でなかなか腑に落ちない部分もあります。
元々3冊が出版されていた気がするのですが、最終的には6巻になりました。
問題図に至るまでの手順が載っていて、
解説の個々の図の手順が短めに抑えられていて目で追いやすくなっている。
先の「棋聖 秀行の碁」シリーズは本人が「道楽」と表現するように、
かなり難しい手順を講じているが、
それと比較すると、あまり凝った手段はなくむしろやさしい手の連続なのに局面を打開している。
本書は1989年の著作で1991年の最高齢でのタイトル奪取の数年前であるから
このころには棋聖連覇中とは違った境地に達していたのだろうか?
題材はプロ、院生の実戦ではあるが見やすくわかりやすいので級位者にもおすすめしたい。
棋譜並べは慣れないと労力ばかりかかってなかなか楽しめないが
これならばそういった労力を省け、碁盤全体を見渡す習慣がつけられるのではないだろうか。
寝っ転がって繰り返し眺めるだけでも効果ありだと思います。
色々知識がつくと大切なことを忘れがちであるので、
何年かに一度見返している一冊です。