2006年初版
故 上村邦夫九段による著作

月刊囲碁の付録をまとめたもの。残念ながら完結を前に上村九段が亡くなったため
片岡聡九段が高尾紳路九段については記述している。

上村九段は将棋の真剣師 小池重明と親交があり、
将棋の本を本でいたら名前が出てきたので、久しぶりに読んでみる気になった。

一局のうち2場面ほど問題形式で抜き出して、棋士の考えを分析して紹介している。
問題図に至る手順や、その後の手順も掲載されていて
棋譜並べが好きな自分にはとてもありがたい。

とくに素晴らしいのは羽根直樹の碁の明るさの解説。
戦いも強い羽根九段ですが、あまり難しいことをせず場を見切って安全に勝ち切ってしまう
明るさも兼ね備えているのには感動すらします。
日本も中韓の影響で戦いの碁が全盛ですが、こういう日本らしい碁が
いまとなっては新鮮に感じられます。

いやしかし、プロ棋士は棋譜から、ここまで読み解けるのかと驚きますし、感動しますね。
一枚の棋譜からこれだけ感動できるのなら、そりゃ強くなれますよ。
学生の時の研究室の教授の口癖は「お前らは学問に感動していないんだ」でしたが、今にして同意できます。
(その先生はパワハラ野郎で大嫌いだったので)

「人生を変えた一局」という本の中に大澤摩耶のコラムがありますが
女流アマのトップクラスでも棋譜並べを惰性でやっているんだと、
ガッカリ感と自分はこの程度でも恥じることはないという安心感があったのですが
プロになれる人はやっぱり違うんだなーと思いますね。

これから暇を見て、過去に読んだ本も紹介していこうかと思います。

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