昭和の名局シリーズは名著だが、中でもこの4巻が一番充実していると思う。
若獅子とは林海峰を指す。
坂田と林の角逐を中心に据えているが、大竹の躍進、
高川、秀行の復活もあり、碁会の動きが最もドラマチックだった時代を
文章と棋譜で描き出している。
棋譜が豊富で、飽きないし、かなり手ごたえがある。
特に若手時代の大竹VS林の棋譜も見事。
坂田が苦手とした、林、大竹に対して、秀行は見事に対応していくのが不思議な感じがする。
坂田は自身の精神的な弱さを公言しているが、あるいは…という気もしてくる。