豊かさ って たぶん

 

モノがたくさんあることや

豪華なことじゃない。

 

 

昔、この仕事 始めて間もない頃

 

自分のしている仕事って

絶対必要なものじゃないんじゃないだろうか・・・

って思ってた。

 

医者は絶対いなかったら困る!

大工さんだって、いなかったら家作れない。

 

でも・・・

住宅の設計者(デザイン)なんて

いなくたって 間取りはできるよね?

カッコよくなくたって 機能は果たせるよね?

・・・・・

 

どこかに

ちょっとした後ろめたさを感じてたんだけど

 

自分の家を設計して、住んで 間もなく

兄のように慕っていた大切な人が 亡くなった。

正月明けてすぐ その知らせをもらった。

 

お葬式に出て

随分経っても

 

心に穴が空いたみたいで

悲しくて 悲しくて

あの人に会いたいよぉ・・・・

 

そんな時

寝転がって見た窓から見えた 空と雲が

すごくきれいで

すっと 心が軽くなった。

 

その時 はっきり分かった。

 

自分がやってる仕事は これなんだ

って。

 

 

 

 

毎朝 歯を磨いてる洗面台だって

今は、すごく機能性に富んだ便利なものが

いっぱいある。

 

木の天板なんて 汚れるだけじゃない?

漆喰の壁 水が飛んだらすぐ汚れついて取れないでしょ?

 

そうなんだけど

でも・・・

 

ある時 そんな木の大きな板が

ふっと自分を救ってくれる

 

そんな時があるような気がして

 

 

まだ、こんなのを作っている・・・。