奏香庭園 和ノ薫リ倶楽部 -34ページ目

奏香庭園 和ノ薫リ倶楽部

奏香日記~香りのよしなごと綴り~



十月の終わり

魔法学校SCENTの異空間は

ひとひらの煙を残して静かに閉じた。


その煙は

まるで記憶の欠片のように宙を舞い

やがて月光の中へと溶けてゆく


時の裂け目が、音もなく開いた

その向こうに現れたのは

香の光がゆらめく白き楼閣

穂月楼


香の道を極めんとする者が

その香を聞きに集う場所

月と香が交わる時

此の楼は現れ

香主の名に呼ばれて息づく


その夜

沈香の香が風に満ち

白檀の薫りが月影をやわらげる


やがて

一人の影が、楼の門前に姿を現した

香主、伽穂


香の流れを司る主にして

穂月の名を継ぐ者


彼女は掌を掲げ、香印を描く

その動きは静かでありながら

天地を貫くほどの力を秘めていた


 「香よ、道を成せ。

月よ、香を映せ。

穂月の光、ここに宿れ。」


声が響くと同時に

楼の灯がひとつ、またひとつと灯り

香の徒を導く道が照らし出される


月は穂のように満ち

香は光のように流れ

新たなる学び舎がこの世に姿を現した


——これより、穂月楼、開門す



和の魔法学校


穂月楼


香の煙、月のひかり

そのあわいに、古き楼が目覚める


穂月楼——和の魔法学校、開門


香を焚き、心を鎮め、月と語らう夜を

五行と香術を学び

自らの香名を得る旅が

ここから始まる