゛あの゛岩城滉一が老境に真顔

役柄と実際の人柄は別物だと判っていても、

いやだからこその人選やもしれません。

老いは等しくやってくるのだから。

物語の骨子は過日の「コットンテール」とほとんど同じ。

妻に先立たれ独りになった男が、我が子含め周囲に

迷惑掛けまいーと懸命に自立を続けるのですが

低下する心身機能の不安にもがく。

迷惑掛けまいの自立心も実は捨てきれないプライドが本音だったり。

まるで幼稚園児を扱うかの支援センターで出会った同じ境遇の男性が

「我々老人に必要なモノは

 教育・今日行くところがある

 と

 教養・今日用がある

なんですよ。忙しそうにしてると若い者らも助かるー」

その昔、来院する婆ちゃんらが同じこと言っていたのを思い出します。

現役世代にはその役目を終えた老人たちは邪魔なんだーと

若き日にそう思ったに違いない。

泳げない主人公が教わる水泳ノインストラクターに高月彩良という女優さん。

実際に水泳が特技らしいのですが、その姿がエロス抜きにして

美しいーと思う自分に老いを感じました笑い泣き

ただ若さが眩しいっ!

もう我が子以下の世代を  先生 と素直に呼べるか否かが

大切なポイント。

どうしても上手く水に浮かべない高齢者に

インスラクター「頭を挙げると(身体は)沈みます。頭を下げれば

    自然と浮かぶんですー」

何気に老いてからの生き方を説いてました。

エンディングで主人公は息子夫婦に

「どうしても駄目な時には助けて欲しいー」

とストレートに頼みます。

するとそれまで親父の老いと頑なさにイライラしていた息子が

「当たり前じゃないか。親子だろー」

と初めて柔らかい顔で応えます。

近所で鳴き続けていた犬も、主人公が散歩に連れ出してやる

ようになったら鳴かなくなりましたーてのもありがちなエピソード

ではありますが、奇をてらわない老いの迎え方を描く物語として

ありかと。

劇場よりもNHKドラマなんかの方が多くに届いていい、

そんなサイズのドラマでした。