映画≒エンタメ と定義するなら我等が邦画は既に韓国映画にすら

勝ち目は無いーと書いちゃってます。

もし万に一つ命脈が有るとするならそれぞれの価値観に拠るのですが

共鳴・共感するようなテーマと商品化し得る脚本力かと。

エンタメでなくコアな良作狙いですね。

「ミッドナイト・バス」

いつものベイシティ他では上映してませんで茶屋まで出掛けました。

ねぶ・泰造と小西真由美はとにかく善人でしかないし大根だと思うのですが

普通に小さな幸せを希求する姿がいい。

観てる者が自分を投影しちゃうんです。特別な人じゃないっていう。

関越道を何度も往来する夜行バスがなんともいい。

泰造はどうやらバス免許持ってるようで実際に走らせています。

距離感で新潟と東京の空気感の違いを繰り返し換える。

「幸せの黄色いハンカチ」でのファミリアの疾走シーンに似て。

公開直後にネタバレしちゃいますが無理の無いハッピーエンドです。

ストーリーはネットで読んでください。

10年前に離婚した泰造と山本未来が再会。

泰造はやはり過去が有りとにかく尽くしてくれる小西真由美と恋仲に

ありながら再婚に踏み切れないのはやはり過去の傷の痛みから。

二人の子供を置いて家を出た未来はその負い目から接触を恐れるが

現在の夫の浮気や実父の介護に心身すり減らし倒れる寸前。

「放っておけばいいじゃん」

との声が太多数でしょうがそもそもの離婚の原因は泰造の偏屈な母の

イジメのせいだったので泰造も元嫁の窮状を見捨てて置けない。

「本当に最期に抱いてー」

陰気臭くて好きでない山本未来という女優なんですが、この時ばかりは

女の切なさみたいなモノが伝わってきて匪石ならーでしたヘ(゚∀゚*)ノあせる

介護される未来の父長塚京三が云う

「男親は扇の要なんだよー」

家族と言う集合体をバラバラにするのもしないのも父親なんだと。

コレって昔は女親の役目じゃなかったですかね?

現代的な家族観かもしれませんがとてもよく判る匪石なのであります。

あと久々なんですが全体に静かな物語ですが繰り返し挿入される

テーマ「ミッドナイトロード」という「レオン」のスティングの曲に似たメロが

なんとも扇情的でいいし、長塚京三が好んだ♪THE ROSE♪

とかいう聴いた事ある曲がとてもいい。

音楽にしびれたのは「タイタニック」以来かも。

 

繰り返しますが共鳴共感する人でないとツマらないーと云われるかも

しれませんが匪石的には

90点

の高得点をあげたいと思います。

「幸せのー」と「ぐるりのこと」の間に置きたいくらい。

上映館も少ないようですの話題作でもないのかもしれませんが

家族ってなんだろう?夫婦って?

と彷徨える方にはお奨めの作品です。