以前、こんな暴露記事に腹を立てたことがありました。 | 悠志のブログ

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ぷくぷくぷくぷくぷくぷく。

ジョン・レノンが息子に暴力か、1968年に元家政婦が書いた文書発見。

http://news.mixi.jp/view_news.pl?media_id=84&from=diary&id=3277290

 

 ジョンはね、親の愛を知らないんです。

 彼が生まれたのは、ドイツ軍による爆撃のさなか。父はアイルランド人の船員で、家に寄りつかなかったし、母は、愛人をつくって家を出てしまっていたから、ジョンは母ジュリアの姉、ミミ伯母さん夫婦に育てられました。

 戦争が終わった年、ジョンは5歳になっていましたが、その年、両親が離婚したんです。この時、息子をどっちが引き取るかでもめたようですよ。父フレッドはジョンと2週間ほどかな、二人きりで暮らしたことがあります。ジョンはこの時のことを嬉しそうに回顧していましたが、愛に飢えていたジョンには、初めて父親とふれあった気持ちになったんでしょう。けれどもすぐに彼は連れ戻されてしまいます。母ジュリアがフレッドを快く思っていなかったせいもあります。フレッドはひどい飲んだくれで、その日暮らしのいい加減な男でした。けれどね、母も息子を育てる能力に欠けていた。生活力というのでしょうか、それがまるでない女性だったのです。結果的にね、ジョンは両方の親に捨てられたんですよ。

 その後、ミミ伯母さんはジョンを厳しく育てたと言いますが、彼女の口癖が何だったか、ご存知ですか。

 「お金で買えるものは、何でも買ってあげたのに」。

 She's Leaving Homeにある、あの歌詞そのままのことを言うひとだったそうです。

 彼はね、親の愛を知らないんです。愛を知らない青年が、どうやって自分の息子を愛せますか。ジョンは息子にどうやって接したらいいのか判らなかったと、インタビューで告白しています。親に育てられたことのない青年が、どうやって子供をしつけたりすればいいんですかね。当時、ジョンはまだ愛に目覚めていません。愛に目覚めたのは、ヨーコに出逢ってからです。ジョンはヨーコに出逢って、初めてほんものの愛というものを知ったんです。ジョンはね、愛というものを知って、初めて自分の罪深さに気づいたんですよ。

 ジョンは1971年にヨーコとニューヨークに渡りますね。それから亡くなるまでの約十年間に幾度もジュリアンに逢っています。ただ逢っているわけじゃない。ジョンはね、このかけがえのない息子に向き合ったんです。自分が今までいけない父親であったこと。そして親子の関係を一から築き直そうとしたんです。

ジュリアンは気が弱く、繊細な少年でした。父親ジョンを慕う気持ちも強かった。きっと彼はジョンを許したと思いますよ。だってたった一人の実の父親ですもの。

 こういう時のシンシアは偉いお母さんでね、息子の取り合いのような真似を決してしなかった。息子が父に逢いたいと言えば、黙って逢いに行かせたんです。そしてジョンのすることを静観していた。何ひとつ文句も言わなかった。彼女だって夫として未熟な彼に暴力をふるわれた一人なのにね。

 ジョンはね、晩年、こういうようなことで、自分の過去の罪に正面から向き合い、こどもたちのいい父親として生まれ変わろうとしたんです。音楽生活からいったん引退したのは、何もショーンのためだけじゃない。ジュリアンのためでもあったと思いますよ。

 彼が偉かったのはね、自分の過去の罪に気づいただけでなく、それに正面から向かい合い、その罪を認め、そして少しでもいい人間になれるよう、いい父親になれるよう努力したところです。

 彼はね、親の愛を知らないんです。息子の愛し方も知らない父親が、愛し方を少しずつ学んでいったんです。あの、彼の歌 “How?” は彼の心の真実そのままなんです。

 家政婦さんの手記が見つかったことで、彼を責めるような人がいるとしたら、その人に言いたいです。

 そのことだけを取り上げてとやかく言うのは、もはや何の意味もないのです。父ジョンと息子ジュリアンはとうの昔に和解していましたし、親子の関係を取り戻しつつあったんです。ジョンがいかに暴力的な夫であり父親であったことは、インタビューで彼がたびたび言っていますよ。ファンには周知の事実です。

 それを鬼の首でも取ったかのように、さもスキャンダルであるかのように騒ぎ立てるのはどうかと思いますよ。彼の罪滅ぼしはもう済んでいます。それともなんですか? あなた方は罪滅ぼしをした人をさらに痛めつけて、喜ぶような方たちなわけですか。そんなことをしてはジョンが気の毒じゃないですか。彼は自分の罪に気づいていたし、ちゃんとそれに向き合ったんです。逃げなかったんです。あなた方にそれが出来ている人はいますか。これは人としてなかなかできることではありませんよ。あなた方にそれが出来ますか。