先日、八王子在住の私がハイソサイエティの街・銀座で1泊するというまたとない機会に恵まれた。
私は着る服をじっくりと考えた。
普段スーパーと幼稚園の送迎にしか行かない私がおしゃれをする絶好の機会である。
ネックレスなんかつけちゃって、
普段の生活圏では着ないワンピースを2日目の服として選んだ。
三菱一号館美術館でセザンヌとルノワールの絵を鑑賞したあと、
灼熱の太陽のもと、銀座へと繰り出した。
ああ、感動した。
みんな私と同じようにめちゃくちゃ気合い入ってるのである。
老いも若きもワンピースに身を包み、
華奢な靴を履き、
銀座の街を闊歩していた。
学生時代から東京に住んでいるけれど、
銀座に足を踏み入れたことはほとんどない。
都心の中で私が落ち着けたのは下北沢や新宿や吉祥寺だった。
銀座は、なんだかこわくて、場違いなような気がしていた。
あのときの私は勘違いしていた。
銀座にいるひとはみんな富裕層で、
おしゃれな店を知り尽くしていて、
毎日信じられないほど優雅に暮らしているのだと。
そうではない。逆なのだ。
人は優雅な気持ちを味わいたくて、銀座を訪れる。
この暑いのにテラス席でコーヒーを飲む、頭にサングラスを乗せた成功者ふうの女性も、
派手なパターンのプリントドレスを着たお金持ちそうな彼女も。
街にその服が溶け込めることを知っている。
ただそれだけなのだ。
それが嬉しい、っていうことだ。
私も、嬉しかった。


