てつそうです。

いつも、
いいね、やフォローを
ありがとうございます。 
とても、励みになります。

こちらは、
肺がんステージ4の自分が、
ステージ4と診断されるまでの、
生活と、その心の変化を書いています。




10月20日
いよいよ、ステージの告知の日が来た。

今日、自分の癌ステージがわかるんやな。


午前中から病院に向かった。

妻と0歳娘と3人で。
いつもと同じように。

けど、
特に緊張することもなく
病院へ向かえた。

病院に着いて受付を済ませて、

また、
あの奥の診察室の前で待機となった。


きっと、告知とか、
癌の人への対応は、この部屋なんかな。

ぼんやりそんな事を考えてた。



『てつそうさん、どうぞ。』

部屋に呼ばれ、中に入る。

前回、話してくださった
ガン担当の看護師さんもおられた。



主治医
『早速ですが…結果からお伝えしていきますね』
主治医はゆっくりと転移箇所を話しだした。


主治医
『脳、
鎖骨近くのリンパ節、
背骨、
肋骨、
心臓近くのリンパ節、
肝臓、
副腎、
右足の付け根です。』


『病名は、肺腺がんと扁平上皮がんの複合型で…
ステージは4です。』









また沈黙が流れた。






誰も喋りださない。




前回より、
思考がまとまって挑んだからか、




沈黙は、前より長く感じた。





そんな告知の時間だった。




主治医は
非常に珍しいです、と淡々と話された。


自分の想像以上に
色んな箇所に転移してたんやな…。



それを知っても、
今の自分は何も怖くなく、

素直に病気を受け入れられたから、

『はい』

とだけ応えた。




やっぱりあの体の痛みは、異常の信号だった。


以前の自分なら
その結果を聞いただけで、

『もう長くない…。
今日、余命を言われて、後何年も生きれるのか?
もしくは、数ヶ月で終わりなのか…?』



色々と考えて、
その場で号泣していただろう。


心の気持ちの変化は、
病気とって重要な役割である。


それを実感していた。


実はこの日、
自分と妻にとっては、
次の検査結果が、最重要だった。


遺伝子療法の適合の結果。


それに賭けてたから。


自分は、
もし病気が想像以上に悪くても、
放射線治療と抗がん剤の投与はしないと決めていた。


妻にはその本音を話して、
納得してもらってた。(たぶん)



だから、
遺伝子検査で分子的治療薬(飲み薬)に
適合する遺伝子が、あるかどうか……。


それが何より、
自分自身の

自分の命の

キーポイントだった。


主治医は、
その遺伝子適合の結果を
PCの画面を見ながら、

1つずつ丁寧に説明してくれた。


『該当せず』が続く…


気になって、
先読みしてしまう自分。

何個も遺伝子の名前が書いてある書類の中、

細かい専門の字の中に、

1文字だけ

『該当する』


と見えた。


あれは…!!もしかして…!!!




主治医
『RETという融合遺伝子にだけ、
該当していました!』


自分は、妻と目を合わせて

『よかったです…!奇跡やわ…!!
ありがとうございます!!』


体中がブワッできた。

やった…!!該当してた…!!
よかった………!!!!



主治医
『色々ある遺伝子の中で、
この遺伝子に該当するのは、約3%しかないから、
これもまた非常に珍しいです。』


そう、教えてくれた。


病名も、
遺伝子検査も、
ものすごく狭い門を通ってきたなぁと思った。


告知の日に、
そのまま、治療が決まった。


主治医の先生も、
とても力強い声と、
表情で、
『良かったです!』と
言ってくださっていた。



前回の告知の日、

主治医からは、事前に
『この治療が出来るのは、
肺がんが原因の場合だけです。』

そう説明をされていて、


主治医の先生は
その説明の後すぐに、
適合検査に出してくださっていた。

きっと、
もうすでに、

一刻を争う病状だと、
先生はわかっていたのかもしれない。

みえていたのかもしれない。

だからきっと、
自分のこの状況を見て、
(乳幼児連れた妻が常に一緒)


主治医として、
最も迅速に、対処してくださったんだろう。



可能な限り早く、
治療に進めるように。

先生の手腕が見えた気がした。


本当に、ありがたい。


主治医
『それで…治療ですが、
この病院で行っていかれますか?
名古屋のがんセンターで治療されたいという
希望がありましたら、
紹介状も書かせていただきますが…』

先生は、
自分たちに選択肢があることを、
教えてれた。

自分
『いえ…ここで。
この病院で、お願いいたします!』

そう、応えた。

主治医
『わかりました!
それでは、
こちらの病院で治療をさせていただきます。
今回適合した【レットヴィモ】という薬は、
特殊な薬ですので、
がんセンターとも連携しながら、
治療をすすめていきますので、
どうぞ安心なさってください。』


そんなふうに、
心強い言葉をかけてくださった。



10月23日から入院をして、

【 レットヴィモ 】という薬を飲んで、
治療していく説明を受けた。

県では4例目の服薬。

この病院では、
初めて扱う薬だと説明を受けた。


副作用なども調べ、
慎重に症状の変化を見ていくため、
入院して投薬していく事が決まった。


『呼吸器科、
一丸となって対応させていただきます』

その言葉が、
その気持ちが、

嬉しかった。


治療の進め方をきいて、
その後、診察室を出た。



入院の詳しい説明を
看護師さんからしてもらい、病院を後にした。




帰りの車で妻と2人で喜んだ。

『あなたすごいわ!』

自分
『うん。ほんまやなぁ。
これで、後はゴールに向かって進むだけや!』

『本当にこの遺伝子に該当してよかった。
やっと…やっと治療出来る…!』



長かった。

本格的な闘病はこれからだというのに、

ここまでの期間が、
自分にはとても長く感じた。


やっと、ここまできたんや…!



自宅に帰り、
子供たちにも説明をした。

自分
『お父さんな、
来週の23日の月曜日から、入院することになった。
大体、2週間くらいおらへん。
結果次第では、
長引くかもしれやんけど、
お母さんの事を助けてあげて』


そう、伝えた。


子供達は

『わかった』

と言ってくれた。


自分
『頼むよ』



自分の病気を、
なんとなくでも理解してくれている。


このときの子どもたちをみて、


『この家族は大丈夫や』って

そう思えた。