一緒に仕事をするメンバーの
心配そうな表情を見たら、
自分がどんだけ青ざめていたか?が分かった。

よっぽど青かったんやな…(真顔)


作業の終了まで残り3時間、
家に帰る事も進められたけど、

胸の痛みは無くなってきていたので、
帰らず作業を続ける事にした。



今思えば、

あの時『死』を体験していた。

薄れていく感覚の中で、
ぼんやりと、現実をどこかでわかりながら、

離れていくなにかを感じながら、

あぁー…オレはこれで逝くんかな…、って。

死ぬときって、こんなんなのかな…、って。

覚悟してた。

激痛から少し離れた、自分の頭の中では、
冷静に死と向き合ってた。

感じたことのない、
あの不思議な感覚。

あの感覚は、今も忘れられない。

…いや、一生かも。


何か、もう一度この世界に戻ってこれた気がした。


家に帰宅して、妻にその事を話すと、

(妻には毎日あった出来事は何でも話しして、
聞いてもらってる)



妻はすぐに病院に行く様に進めてきたが、

もう一日分、出勤が残ってたから、

もう何も痛みがなかったし、
明日の夜勤が終わってから、

かかりつけのクリニックに必ず行く、と約束した。


体調が悪ければ
その夜の仕事は休むつもりだったけど、
何ともなかった。

だからその日は仕事に行った。

仕事始まる前、
同じ職場のメンバーと夜勤責任者に、
もし自分に何かあったら救急車をすぐ呼んで欲しい。
と、伝えておいた。



その日の作業時は、
特に胸や身体に痛みが走るわけでもなく、

無事に仕事を終えた。

夜勤明け、
帰宅してから妻と0歳娘と一緒に、
予約した呼吸器クリニックへ。

このクリニックには、3週間前から通っていた。

咳がずっと続いていたので、
(半年以上、咳が続いてた)
何かあるのか?と
すでに受診を重ねていたクリニックだった。

受診した時は、
医師から喘息と言われたので、
言われるがままステロイド入り治療薬を
吸引していた。

胸のX線撮影して、
『肺はキレイだね!』って言われて、
安心したのを覚えてる。

だから、長引く咳は喘息、だと。
そう言われて納得して帰ってきてた。

けど、その間も咳は収まる事無く、
間隔を空けてずっと咳は出続けていた。

自分は喘息なんだから、
この薬を吸引していれば、
いつか咳は収まると信じていた。


でも、

胸に激痛がはしったり
首や身体の色んな箇所が痛いのは、おかしい!と、

妻はずっと言っていた。

今までは一人で受診してきたけど。
この日は妻もついてきた。

『絶対に紹介状書いてもらう』って、

『ちゃんと調べてもらう!』って、


妻はいつも言ってた。
医師は病のエキスパートで、
治療方針とか、
考える専門家であって、

人生を預ける先の専門家ではない、と。

人生は自己責任だから、
自分の命は、自分で管理するの。
その管理の専門知識を持つのが、
医師なんだ、と。
だから、知識と技術を助けてもらうんだ、と。

今回の胸の痛みは、喘息だけではない、と。

言っていた。
絶対になにかが隠れてるって。


…本当に、そのとおりだったんだけど。