吾が輩は猫である。
名前は「とんと」
名の由来は知らないが、呼ばれた時の音の響きは気に入っている。
幼少の頃の記憶は定かではないが、気が付くと山原の森をさまよっていた。
捨てられたのか、元々野良として生を受けたのか……。
吾が輩の転機は2ヶ月ぐらい前の事だ。
いつものように森を歩いていると、ふと美味しそうなニオイがしてきた。
近づいてみると、それはスルメだった。
今、思い起こすと、森の中にスルメがあることは不自然以外の何物でもないのだが、空腹だった吾が輩はそれに飛び付いた。
と、ガシャン!と大きな音が聞こえたと思ったら、吾が輩の来た道は格子で塞がれていた。
よく見ると、前も左右も上も格子で囲まれている。
ヤンバルクイナ保護の為に仕掛けられていたマングース捕獲器というヤツだ。
どうやら吾が輩は、そいつに捕まったらしい。
後から聞いた話だが、スルメに引かれて、吾が輩のような猫が捕獲器に入っている事は多いようだ。
そして、吾が輩は保健所なる所へ連れていかれた。
吾が輩はそこで、人間との最初の運命的な出会いをする。
彼女は吾が輩のような猫がいないか、時々様子を見に来ていたらしい。
そして吾が輩を家へ連れて帰ってくれたのだ。
「とんと」という名前も彼女にもらったものだ。
その彼女から聞いた話だが、保健所なる所は大変恐ろしい所のようだ。
吾が輩と同じように捕まったり、主人に捨てられて持ち込まれた犬猫を一定期間保護した後、飼い主や保護主と呼ばれている人間が現れなければ、刹処分するらしいのだ。
そう、殺されてしまうのだ。
しかも、保護する期間(殺すクセに何が保護だ!!)は、吾が輩たち猫は犬たちに比べるとかなり短い。
犬たちは2週間ぐらい保護するらしいのだが、吾が輩たち猫は3日から5日ぐらいで処分されるらしい。
そう考えると、吾が輩は運が良いのだろう。
しかし、残念ながら、彼女は今の吾が輩の主人ではない。
彼女の家には、ほかにも吾が輩のような猫が沢山居た。
どうも吾が輩は、猫というやつが好きになれない。
吾が輩も猫だというのにおかしな話といえば、そうかもしれない。
しかし、幼い頃から孤独で生きてきたからなのか、あの縄張り意識や馴れ合い、じゃれあ合いが我慢ならないのだ。
ほかの猫たちに溶け込めない吾が輩に困り果てた彼女は、里親を探す事にした。
そうして、今の主人と出会うことになったのだ。
そう、彼との出会いが2度目の運命的な出会いだったのだ。
(もしかしたら続く)
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名前は「とんと」
名の由来は知らないが、呼ばれた時の音の響きは気に入っている。
幼少の頃の記憶は定かではないが、気が付くと山原の森をさまよっていた。
捨てられたのか、元々野良として生を受けたのか……。
吾が輩の転機は2ヶ月ぐらい前の事だ。
いつものように森を歩いていると、ふと美味しそうなニオイがしてきた。
近づいてみると、それはスルメだった。
今、思い起こすと、森の中にスルメがあることは不自然以外の何物でもないのだが、空腹だった吾が輩はそれに飛び付いた。
と、ガシャン!と大きな音が聞こえたと思ったら、吾が輩の来た道は格子で塞がれていた。
よく見ると、前も左右も上も格子で囲まれている。
ヤンバルクイナ保護の為に仕掛けられていたマングース捕獲器というヤツだ。
どうやら吾が輩は、そいつに捕まったらしい。
後から聞いた話だが、スルメに引かれて、吾が輩のような猫が捕獲器に入っている事は多いようだ。
そして、吾が輩は保健所なる所へ連れていかれた。
吾が輩はそこで、人間との最初の運命的な出会いをする。
彼女は吾が輩のような猫がいないか、時々様子を見に来ていたらしい。
そして吾が輩を家へ連れて帰ってくれたのだ。
「とんと」という名前も彼女にもらったものだ。
その彼女から聞いた話だが、保健所なる所は大変恐ろしい所のようだ。
吾が輩と同じように捕まったり、主人に捨てられて持ち込まれた犬猫を一定期間保護した後、飼い主や保護主と呼ばれている人間が現れなければ、刹処分するらしいのだ。
そう、殺されてしまうのだ。
しかも、保護する期間(殺すクセに何が保護だ!!)は、吾が輩たち猫は犬たちに比べるとかなり短い。
犬たちは2週間ぐらい保護するらしいのだが、吾が輩たち猫は3日から5日ぐらいで処分されるらしい。
そう考えると、吾が輩は運が良いのだろう。
しかし、残念ながら、彼女は今の吾が輩の主人ではない。
彼女の家には、ほかにも吾が輩のような猫が沢山居た。
どうも吾が輩は、猫というやつが好きになれない。
吾が輩も猫だというのにおかしな話といえば、そうかもしれない。
しかし、幼い頃から孤独で生きてきたからなのか、あの縄張り意識や馴れ合い、じゃれあ合いが我慢ならないのだ。
ほかの猫たちに溶け込めない吾が輩に困り果てた彼女は、里親を探す事にした。
そうして、今の主人と出会うことになったのだ。
そう、彼との出会いが2度目の運命的な出会いだったのだ。
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