9月4日、5日と、大和大学(大阪府吹田市)政治経済学部の吉田賢一ゼミの学生2人が、自治体活性化プロジェクトの一環として利根町で研修をするというので、利根町の石山肖子元議員を受入窓口とし、私も帯同して研修の支援をしました。吉田先生と私は、吉田先生が県内の大学に勤務していた時からの知り合いです。

 

吉田先生から、「公務員を希望する学生の現地研修を1泊2日で計画している。適当な自治体があれば紹介して欲しい。」ということでしたので、利根町を紹介しました。利根町は首都圏にありながら過疎地指定を受けるという珍しい自治体で、全国の自治体と同様、生産年齢を含む人口減少、高齢化の進展が急速に進む町です。

 

公務員を志願する若い世代が利根町の歴史や自然を知り、行政や議会の取組みを通し、住民の話を聞きながら、再生のヒントをどこに見出すか、楽しみです。

 

4日は、レストラン「ドルチェ」で昼食を兼ねて打ち合わせを行い、利根町の地形的特徴や概要などを石山さんから説明を受けました。その後、元教育長の大野英二さんの自宅を訪問し、利根町の歴史が縄文以前にさかのぼる古い歴史があり、史跡等も紹介を受けました。

 

大野元教育長は、「住宅団地の開発により利根町に移り住んで来た方々と、もともとから利根町に居住してきた方々が、町の変遷の中で融合している状況となっており、コンパクトながら多彩な住民と、お互いに顔の見える関係があり、住みやすい町だ」と肯定的な話をしていただきました。

 

 

 

 

 

その後、映画「君の名は」の宮水神社の鳥居のモチーフとなった「蛟蝄神社」を訪れましたが、そうした経緯を知ることのできる看板はなく少しも宣伝されていませんでした。関東で最古の水神様の神社と言われ、赤い鳥居脇のイチョウの大木は、樹齢は書いてありませんでしたが、8百年くらい経っているのではないかと思われます。

 

その後、ちょうど開会している町議会の一般質問を傍聴しました。傍聴したのは、4番目に通告した議員の質問で、①アスベストが使用された町内施設の取り扱い、②町総合振興計画について、執行部と議論を交わしていました。

 

本日は最後に、利根町政策企画課政策企画係の職員から、「利根町の過疎について」説明を受けました。

 

利根町は、平成29年過疎法の一部改正(①国勢調査による平成2年と平成27年の人口比較で減少率が21%以上、②平成25年度から平成27年度の財政指数の平均が0.5以下、となりました。(利根町は人口減少率20.4671%、財政力指数0.43)により過疎地指定を受けました。茨城県内では5番目、県南地区では初めての指定となりました。

 

また、令和3年制定の新過疎法においても過疎指定を受け、引き続き過疎地域となっています。利根町では過疎地指定を受け、過疎地脱却に向けて「利根町過疎地域自立促進計画」(第一次計画、平成29年度から令和2年度)を策定し、自立促進を進めてきました。その後、「利根町過疎地域持続的発展計画」(第二次計画、前期計画令和3年度から令和7年度、後期過疎計画は令和8年度から令和12年度までの5年間で、令和7年度中に策定予定)を策定して進行中です。利根町が過疎地を脱却して甦れば、全国の同様の自治体に再生の希望がもたらされるものだと思います。

 

現在、全国1,718団体のうち過疎指定を受けているのは885団体(令和4年4月1日)で、51.5%となっており、半数以上が過疎地域となっています。財政的な面からも過疎法の今後がどうなるかは、未定だと思われます。利根町の職員には、終始熱心に対応していただき感謝しています。