昨日から令和6年第1回阿見町議会が開会しました。初日は、執行部提案の議案の上程があり、1,条例の一部改正12件、2,令和5年度一般会計補正予算等各種会計補正予算6件、3、令和6年度一般会計予算等各種会計予算6件、工事請負契約1件、4、財産の取得(令和6年4月入学児童のランドセル購入)、5、牛久市・阿見町斎場組合規約の変更1件、以上は各委員会に付託され審議されることになりました。

 

議員提出議案の「阿見町ハラスメント防止条例の制定について」は、即日質疑、討論、採決され反対6名、賛成9名の賛成多数で成立しました。私は、質疑を行い、反対討論を行い、採決でも反対しました。詳細は、議会YouTubeをご覧下さい。

 

着席しているのが反対した議員

 

https://youtu.be/5zTC8xCNaGQ?t=5269

 

議会は、多数が支配する仕組みですが、こうした無理筋が通ってしまう場でもあります。民主主義は、内容を理解し議論を尽くして結論を導くという「手続きの正当性」が基礎となって成り立っています。やみくもに多数で押し切るということは決して行ってはいけません。なぜなら、多数派と少数派はいつ逆転するかも知れず、無理筋が繰り返されるということになりかねないからです。

 

少なくとも、学校ではこのような形で出された結論は否定されると思います。言ってることとやってることが違っているという自覚もありません。厳しく指摘しておきたいと思います。

 

私の反対討論

 

 

私は、本条例案について反対の立場から討論します。

 

本条例案は全員協議会で唐突な提案があった限りで、議員全員に適用されるにもかかわらず、その内容について議員が十分理解していないと思われる。なぜ、任期間際で、全員協議会で反対意見があったにもかかわらず急いで制定しようとしようとするのかまったく理由が分からない。

 

また、条例の制定に関する根拠は、立法プロセスにおいて非常に重要だと思うが、議員による職員に対するハラスメント及び議員間のハラスメントという事実が、そもそも事実としてあるのか、あるとして、認定されたものはどの程度あるのか。どのような種類のハラスメントだったのか、不明である。

 

また、阿見町議会基本条例を3年間かけて見直しした経緯があるが、議会基本条例では(議会の合意形成)の項で、第8条の2で、「議会は,本会議及び委員会において,議員,委員会及び町長の提出する議案並びに町民提案に関して審議し結論を出す場合には,議員相互間の議論を尽くして合意形成に努めるとともに,町民に対する説明責任を十分に果たさなければならない。」と定められている。にもかかわらず、本条例提案について、「議員相互間の議論を尽くして合意形成に努めるとともに,町民に対する説明責任を十分に果たした」とは全く考えられない。

 

さらに、本条例案の(事実関係の把握)第5条では、「議長は、職員若しくは町長等(町長その他の執行機関の長をいう。)又は議員からハラスメントに関する苦情等の申出があったときは、その事実関係を把握するため、速やかに関係者からの聴き取りその他の確認を行うものとする。」とあるが、どのような手続きをもって議長が聴き取りを行うことになるのか。第3者機関の設置等を設けるのか。も不明である。

 

さらに、本条例案の(ハラスメントに対する措置)第6条では、「議長は・・・議員によるハラスメントがあったと認められる場合は、議会運営委員会の意見を聴き、当該ハラスメントを行った議員に対して、指導、助言、注意、氏名の公表その他の必要な措置を講じなければならない。」と規定しているが、事実認定を議会が出来るのか。ハラスメントの専門家でもない、捜査権もない議会がどのように事実認定するのか。も不明である。

 

私は、本条例案は、多数派を構成する議会勢力の少数派に対するいじめのような事態が起きるのではないかと危惧している。多数を持てば、何でも許されるような風潮がある。社会には冤罪も多い。議長が誤った判断あるいは故意に認定するということも考えられる。その場合の名誉回復措置も書き込まれていない。

 

そもそも、こうした重要な条例は、議員全員がハラスメントの内容や、どのようなことがハラスメントになるのかなど、充分な研修やガイドラインを作ることから始めるべきで、こうした議員の任期間際に提案するということ自体、賛成しかねる。

 

以上、反対討論とする。