茨城新聞(A版)11月30日

 

今朝の地元紙・茨城新聞の「前教育長、町議殴る」という記事には驚きました。事件は、今年の2月3日に起きたということですから、ほぼ10か月も経過しています。この間、当事者の、殴ったという前教育長からも、殴られたという町議にからも、一切、具体的な話は聞いていませんでした。

 

ただ、前教育長からは、「解決しなければならない問題がある」というような話は聞いており、気にはなってはいましたが、まさかこんな事態が起きているとは、予想だにしませんでした。私は、両人ともに長く付き合い良く見知っている方々ですので、本当に驚いています。

 

もちろん、日本は法治国家ですから、私人同士が実力をもって相手になんらかの強制をするということは許されことではありません。しかし、長い人生を経験し役職を歴任した人物が、已むに已まれず実力を行使するというのは、背景に相当のことがなければ起こり得ないことだと思われます。

 

新聞報道では、前教育長の再任を巡る人事についてのトラブルが原因であるというように書かれています。阿見町議会の、教育長再任人事の経緯については、以前の私のブログをご参照ください。

 

教育長再任不同意の理由/このまま任せて良いか不安がある | 海野隆ーひと・まち・くらし・しぜん通信 (ameblo.jp)

 

教育長再任不同意について/言論の府の劣化 | 海野隆ーひと・まち・くらし・しぜん通信 (ameblo.jp)

 

教育長人事案は再度不同意に/教育長不在続く | 海野隆ーひと・まち・くらし・しぜん通信 (ameblo.jp)

 

教育長人事は2度にわたって不同意となり否決されました。その結果、町長は新しい教育長(現在の教育長)を任命し、議会が同意して教育行政は継続されました。

 

さて、前教育長の不同意ですが、議会の中で反対した議員から「なぜ不同意なのか」ということについては全く討論されないままに、教育行政のトップというきわめて重要な人事に反対するということに議会の劣化を感じたものでした。以前のブログには、「今回の教育長再任については、質疑もなく、反対討論もなく、採決では何と9名の議員が反対したということに衝撃を受けました。」と書きました。

 

また議会では討論せず、議会外で「根拠不明で真偽が明らかでない理由」を挙げて、町民に説明するということも行われていたと聞いており、当事者の憤慨は察して余りあります。

 

議員は、議案に対して賛成であれ反対であれ、説明責任があります。特に反対する場合は、より大きな説明責任があると考えられています。当事者から質問されたら説明する義務があると思います。こうした説明責任をまったく果たしていない議会での態度表明が、こうした事件を生んだ背景だということは指摘しておきたいと思います。