霞ケ浦/茨城県最大の水資源・観光資源

 

霞ケ浦水質調査研究会代表の沼澤篤先生

 

 

今日の霞ヶ浦は、天気も良く穏やかで暖かな一日でした。元役場職員の友人から誘いをいただいて、霞ヶ浦の水質を定期的に調査している「霞ヶ浦水質調査研究会」のモーターボート調査船「がいあ二世号」に乗船させていただきました。

 

ラスクマリーナ桟橋

 

坪田船長。このモーターボート調査船「がいあ二世号」で水質調査してきました。

 

水都・土浦 湖上から眺める土浦市は全く違う街に見える

 

 

筑波山を背景に。茨城県内最大の観光資源・水資源

 

阿見町から美浦村沖合までは何度か乗船したことはありますが、一度、土浦港のラスクマリーナから観光船に乗って潮来まで、霞ヶ浦から陸上を眺めてみたいものだと考えていました。

 

なかなか、その機会がありませんでしたが、今日その機会に恵まれました。会員の方々の水質調査を見学させていただき、逆水門や利根川堰を通過するという貴重な体験でした。

 

沿岸から湖上を眺めて、霞ケ浦の環境を何気なく語って来ましたが、やっぱり現場に立たないと本当のことは分かりません。今後も、何度か水質調査の機会を得ることが出来れば良いなと思いました。

 

 

霞ケ浦の面積は220km²で日本第2位の広さがあります。平均水深は約4mで,広くて浅いという特徴があります。今回は狭義の霞ヶ浦の西浦を調査しました。西浦は、面積約172平方キロメートル、海抜高度0.2メートル、最大水深7メートルで、土浦方面に伸びる水域を「土浦入(つちうらいり)」、石岡方面に伸びる水域を「高浜入(たかはまいり)」、この両者が交わる出島沖の広い水域を「三叉沖(みつまたおき)」と呼ぶということです。

 

 

 

降った雨が流れ込む地域を「流域」といい、霞ヶ浦の流域は,24の市町村にまたがり,約94万人(平成31年3月末現在)が暮らしています。霞ヶ浦の流域の面積は約2,157km²で,湖の面積の約10倍の地域から川の水が流れ込んできます。霞ヶ浦は汚れた水が集まりやすい湖といわれていますが、その水を水源に流域の上水道が供給されています。

 

透明度調査。透明度は低く60センチから100センチ程度だった。

 

 

プランクトン調査。水深2.5メートル付近から湖水を採取。ミジンコなど動物性や植物性のプランクトンの種類と量を分析する。

 

調査地点は息栖神社の沖合(息栖真崎)

 

東国3社(鹿島神宮、香取神宮、息栖神社)の内、息栖神社の沖合

 

 

 

霞ケ浦から利根川方面。左が逆水門(常陸川水門)。この逆水門(常陸川水門)を年間100回程度調整している。逆水門(常陸川水門)によって霞ヶ浦は海水が混じる汽水湖でなくなって、工業用水、上水道の水源、農業用水として活用されている。半面、水瓶化したことによって水質は悪化した。右側は利根川堰。

 

国土交通省・関東地方整備局・霞ヶ浦河川事務所が調整しています。

 

 

逆水門(常陸川水門)の脇に、利根川と霞ケ浦を行き来できる水門(ゲート)がある。ゲートは3基あり、水位を調整して通過できるようになっている。パナマ運河と同じ仕組み。

 

最初のゲートが開いたところ。昔は手動でやっていたらしい。現在はもちろん自動ゲートになっている。通過料は無料。

 

 

いま通過した最初の水門が閉じたところ。

 

 

第2のゲートが開いたところ。第3のゲートは閉じたままになっている。

 

 

今日の霞ヶ浦と利根川の水位は、干潮時にあたっており、約80センチくらいだった模様。喫水線が下がっている。

 

 

 

利根川から霞ヶ浦方面。右側が逆水門(常陸川水門)。

 

常陸川水門(ひたちがわすいもん)は、茨城県神栖市に位置し、霞ヶ浦と利根川の合流点を仕切る水門。現地では、隣接する利根川河口堰と合わせ、「逆水門」と通称されています。1959年2月に着工し、約18億円の費用をかけて1963年5月に竣工しました。

 

この箱に調査検体を格納していました。

 

ラスクマリーナにある研究拠点で水質のデータを分析します。

 

霞ケ浦水質調査研究会は沼澤篤先生が代表で、民間の立場から霞ヶ浦水質の定点観測を20年続けて来ており、そのデータは非常に貴重なものです。沼澤先生は、霞ヶ浦に関わって30年。現在は霞ヶ浦市民協会研究顧問、総合科学研究機構特任研究員などに携わっています。「ナマズのつぶやき・霞ケ浦百話」「霞ケ浦考現学入門」など著書論文は多数。

 

霞ケ浦水質調査研究会では会員を募集しています。会費は個人会員(1家族)、年会費5000円。

pcom@sea.plala.or.jp