国体跡地浮桟橋の破損について・想定外の風や波で破損したのか

 

桟橋が損失し撤去した浮桟橋

 

先日の全員協議会で、阿見町で実施された国民体育大会セーリング競技のために霞ヶ浦に整備した、浮桟橋が破損したという報告がありました。

 

阿見町は、「設計」「製品」「施行」による瑕疵(欠陥)はないと結論付け、復旧については跡地利用検討委員会での利活用ができた段階で実施するとしています。

 

全員協議会では、複数の議員が執行部の結論に異議の発言がありました。私も、この調査と執行部の結論については、受け入れ難いと発言しました。

 

このような事故の場合に考えられるのは、以下のような原因あるいはその組み合わせしかありません。つまり、1、設計に瑕疵があったのか、2、施工に手抜きがあったのか、3、製品そのものに欠陥があったのか、4、設計で想定している以上の負荷がかかるような状態が起きたのか、いずれかです。

 

阿見町では今回の原因調査を、設計・施工管理を行った三井共同建設コンサルタントに依頼しています。しかし、設計を請け負った会社に設計ミスがあったとしても、これを認めることは絶対にありません。また、施工に欠陥があったことも認めないでしょう。施工管理にミスがあったことになるからです。製品そのものの欠陥はどうだったでしょうか。これは分かりません。

 

つまり、原因調査を依頼してはいけない所に依頼したということができないでしょうか。原因調査を依頼するとしたら、今回の整備に関わらなかった第3者に依頼すべきです。製品品質そのものも調査対象にして徹底して調査すべきです。

 

浮桟橋に係る契約の状況は、設計額が約5750万円、施工額は約3億3370万円、施工管理費745万円です。第3者に依頼し徹底した調査の結果ならば議会も納得するというものです。

 

橋柱のみ残っています

 

浮桟橋破損に係る経過は以下の通りです。

 

令和元年9月29日~10月2日

国体セーリング大会開催

 

令和2年4月13日

強風が吹いたため霞ヶ浦魚協阿見町支部長から桟橋が破損している可能性があると生涯学習課に連絡

 

4月14日

生涯学習課担当職員、桟橋が破損していることを現地確認。整備工事を請け負った株木建設に連絡。

 

4月15日

株木建設及びヤマハ・シーガルが流出防止対策としてロープによる仮止め。

 

5月21日

浮桟橋撤去。運動公園に保管。(撤去移動作業81万4千円)

 

5月22日

町長に撤去の経過を報告。浮桟橋を実施設計・施工管理した三井共同建設コンサルタントに原因調査を依頼。調査に必要な令和元年台風15号、19号及び令和2年4月13日の強風に関する気象データを提供。

 

6月24日

三井共同建設コンサルタント現地調査。運動公園に保管してある浮桟橋の破損状況確認。

 

7月9日

ヤマハ発動機株式会社が現地調査。原状回復の場合の補強方法を出すよう指示。

 

8月31日

三井共同建設コンサルタントから浮桟橋破損に関する見解資料による報告。

 

実施設計・施工管理会社「三井共同建設コンサルタント」及び浮桟橋を製造した「ヤマハ発動機株式会社」の調査報告及び見解概要は以下の通り。

 

 

「浮桟橋本体は『マリーナ等施設の設計ガイドライン』『プレジャーボート用浮桟橋設計マニュアル』に基づき設計されており、その基準を十分に満たす強度で製作されていた。施工については、設計図書及び施工管理基準に基づき適切に実施されていた。

天候に関して、2019年9月9日の台風15号、国体後の2019年10月12日の台風19号、2020年4月13日の荒天時に設計条件以上の状態にあったことが浮桟橋破損の原因と考えられる。」

というものでした。

 

阿見町としては、これらの報告書を受け入れて、「設計」「製品」「施行」による瑕疵(欠陥)はないと結論付けています。復旧については跡地利用検討委員会での利活用ができた段階で実施するとしています。