穏やかな早春の日に去年の暮れ、茶友からお茶事のお招きがありました。
長年、お茶に携わっていながら、なかなか無いことなので
嬉しく、そして楽しみにしておりました。
その日は早春の穏やかな日となりました。
懐石はとてもおいしく、特に椀物は
蛤のしんじょに、さわらびが乗って、
一椀で十分、春を感じさせるものでした。
中立ちの時、ご愛嬌で篠笛を一曲。
「やまざくらの歌」
仙台では今満開の梅を見ながら気持ちよく吹けました。
日本の曲は、のんびりしているので
皆さん、まったりとした気分になったようでした。
後座では、亭主が丹精こめて育てた椿が
そそと活けてありました。
濃茶も良く練れて、とてもおいしかったです。
後炭のあとの薄茶は、亭主と途中で代わって、私も点てました。
久しぶりに会うメンバーで、和気藹々のうちにお開きとなりました。
帰ってきてからは、余情残心で、瑞鳳寺の晩鐘を聞きながら
お礼状をしたためたのでした。