狂い紅に咲く愉悦 (死表現有り) |   総司と金平糖

  総司と金平糖

    想いの侭に転がす金平糖。


薄笑み成した僕の面貌。翡翠の眼光に映る紅の雨。
薙いだ白刃に骨を断たれた彼の首は、胴より背面に逸れて空を舞い地に落ちる。


紅の飛沫は、悔悟を嘆くかのように見えた。


僕の笑みは、悦が故。

信じた人の為、たった一人の人の為、
其れが人道に反し、禍々しい非道な人斬りだと知っていても、

——僕は今、役に立てている。


僕の身が強襲を仕掛ける度、奴等は物となり地に伏せる。
抗えない死を与える僕は、宛ら悪鬼なのだろう。


自ら心なき悪鬼となり、あの人の夢叶える為、支える為、立ちはだかる敵を殲滅する。
其れが——


僕が生を受けた意味。
僕が闘う意味。
僕が刃である意味。


敵は逝った。
僕の元に骸となって平伏し、吐息一つ零さない。

懐へと手を差し込み懐紙を取り出し、複数の骸を見渡しながら刀に滴る紅を払う。
納刀の前に濡れた刀身を拭い清め、亡骸の懐へと穢紙を収め。


此れは、僕の仕事。
僕自身が決めた修羅の道だよ。

頰に、身に、無遠慮に迸った返り血が絖る。
手の甲で頰から唇へと擦ると、落ちる処か、紅は拡がった。

唇が刻む三日月は、端から見れば狂気染みているのだろう。


次は何時降る、紅の雨。
誰が僕に願うのだろう、己が命終結せしめろ、と——