今も金融界にいる昔の仲間と飲む機会があって、
彼らが口々に言っていたのが、この高い 日経平均株価の水準で
日経平均リンク債が大流行しているということです。個別株に連動するEB債も同じように大流行とのこと。
大手証券のホームページをみると みんな売り出ししています。
ネット証券は 任天堂のEB債をみんな手がけていますね。
某大手メガバンクに至っては、ノルマ貼り付けて
ガンガンに日経平均リンク債を推進しているようです、、、、、
2007年〜2008年のリーマンショック前にも金融機関は
同じことをやっていました。
私には デジャブ に映ります。
その後の株価急落で、、、、
顧客とのトラブル、斡旋、訴訟、、、、
金融機関の信用失墜
銀行も、証券も あの酷い体験を忘れてしまったのでしょうか?
日経平均リンク債は、簡単に言えば
円建て債券に日経平均のプットオプションの売りを組み合わせ
手に入れたプットオプション売りのオプション料を利回り引き上げの原資とするものです。
実際にマネックス証券で売り出されたものを見てみると
ドイツ銀行発行体の2年の円建て債券 金利3.63%
ここまでなら、おそらく 売り出した同時に瞬間蒸発の
人気商品でしょうね。
ただし、そんなに美味しいことばかりでないのは自明の理
この商品は、期間2年の間に、たった一回でも
日経平均株価が、15,172円81銭をつけると
この事を ノックインするといいます。
その瞬間に、元本保証の債券ではなくなります。
そうなると、2年後の償還価額は
償還の時の 日経平均株価を発行時の日経平均株価である
20,230円41銭で割ったものx100% となります。
逆に 3ヶ月に一回の利払い日 年率3.63%ですから、
実質的には 3.63%割る4で税金20.315%引かれて0.723%
100万円の投資で 7,230円の利息を受け取る時に
日経平均株価が、購入時より上昇していて
21,241円93銭より上にいたら
2年の期間を待たずに、早期償還され、
以降の利息は受け取れません。
IT バブル崩壊もリーマンショックも簡単に日経平均株価は半分になりました。
私が 予想するように このQEバブルが崩壊し、
2年後の日経平均が10,000円だったとすれば
この債券は 投資金額の49.4%で戻ってきます。
2年間3.63%の金利を
もらっても 全く割があいません。
日経平均リンク債は 確率的には ノックインすることは
滅多にないので、何事もなければ高い金利を受け取れる
しかし、いったんことが起きれば、大変なことになります。
要するに購入するタイミングと株価水準が大事。
この高い株価水準は、必然的にノックインの確率が高くなり
元本割のリスクが高くなります。
個人的には、リターンが限定的な割には、確率は低いが
発生するリスクが大きすぎるので好きな商品ではありません。
ネットとかでも 私と同じような考えで、この商品の評判はあまりいいものではないように思うのですが、、、
しかし、なぜか 銀行や 証券会社は 懲りずにこの商品で収益を稼ぎます。
あまり知られていないですが、だいたい4%くらい金融機関は
抜いていますよ。金融機関のためにある商品です。
なぜか、考えてみましたが、これはやはり購入する顧客側にも
原因があると考えます。
日本人は農耕民族です。
農耕民族は 台風などの天災をしょうがないものという
一種諦めの 無常観を持っています。
何も起こらなければ自然の恵みを得られる
しかし、天災は必ず起きる
だけど、それはどうしようないもの。
バブル崩壊による株価の暴落を天災と置き換えれば
農耕民族の日本人には、本来日経平均リンク債を受け入れる
素地があるのかもしれませんね。
オプションの売りを好む農耕民族
マーケット時代、そういえば、オプションを売って、楽に収益を稼ぎたがる同僚が多かったですね。
繰り返し栄える日経平均リンク債は狩猟民族の外国人にはあまり理解できないのでは?
以上
天