大学生になって親元を離れ、もう三年がたった。
地元は関東。大学は北海道にある。

なぜこんな遠いところまで来てしまったのだろうと今でもたまに考える。
そんな気は全くなかったのに。


でもその理由は至って簡単で、「センター試験を失敗した」それだけだ。

当時の私の目指していた大学には自己採点の点数で届かなかった。
その点数で挑戦する勇気がなかった。
それだけ。


だから「いけるところ」と「やりたいこと」を考えて、

先生からの説得をうけて、
「いっそ遠くにいくのも良いかも」なんて考えてしまったのだ。


で、見事合格。
現在に至るわけだけれど、この後点数の開示があった。

自己採点との点数に30点の差があって(実際には自己採点より30点高かった)かなりショックを受けた。

これから大学受験をする人たちは自己採点だけは十分気をつけてほしい。
ほんとうに。





それから三年たった今、改めて考えてみる。


ときどき大学受験を思い出して悲しくなることはあっても北海道まで来たことに後悔はない。



私は地元にいる家族も大好きだ。友達も大好きだ。
いつかは帰りたいと思っている。


それでもここは私が初めて自分の力で作り上げた、得たものがたくさんある。



私の家は恵まれた家庭だったと思う。
それは愛にもお金にも。困ったことがなかった。

5人家族3姉弟の長女。

真面目に、素直に、それなりに期待を受けて育った。
それなりに勉強も運動もやって。
生徒会や部長もやった。


でもどこか自信がなかった。
「大人になる自信」と「1人で生きていく自信」


いつから人は大人になのか。

20歳になったら?
お酒が飲めるようになったら?
自分でお金を稼げるようになったら?


大人は責任と義務があって、いつからかそれらが分からない人は駄目だと言われるようになる。

子どものうちはできなくても良いよと言うのに。



今でも私は大人になんかなりきれない。

まだまだ親から助けてもらいながら生きていて、甘えてばっかりだ。


それでも、

友達ができて
バイトをしてお金を稼いで
好きなものを好きなときに食べて


たったそれだけだけれど、誰一人知り合いのいない土地でそれができたというのは私の自信になった。



少しだけ大人になれそうな気がしてくる。




まだまだ料理は苦手。
掃除や洗濯だってさぼりがち。


それでも一人暮らしは自信をくれた。