夏の巡業歌舞伎は、当日限りのお楽しみです。
菊五郎劇団に惹かれて、中央コースに行ってまいりました。

演目は、
「廓三番叟」「一條大蔵譚」「棒しばり」
どれも、歌舞伎を初めて見る人が楽しめるよう、分かりやすいものです。

三番叟では、萬屋父子が美しく、特に時蔵さんは動く日本人形のようなあでやかさ。

つくり阿呆の菊五郎@一條大蔵卿もお約束どおり、笑わせてくれます。
周囲の人が「志村けんのバカ殿より上手だね」とクスクス。

もしもし、あのぉ~、菊五郎さん、役として、おどけてますけど、
人間国宝ですごい役者なんですよ~。
ま、いいでしょう。
楽しんでもらいたいという思惑にピタリと、はまっているのですから、
私ごときが注釈を入れる筋合いではありません。

今回、もっともよかったのは、菊之助&松緑が次郎冠者、太郎冠者に扮する
「棒しばり」でした。

特に、棒で縛られた菊ちゃんは、素晴らしい!
汗びっしょりで滑稽な舞いや所作を繰り広げますが、恐ろしいほどの完成度でした。
アクロバット的な動きも難なく、こなし、本当に酒に酔っているかのような表情もお茶目です。

柔軟性のある体はもとより、後ろ向きで舞台はじまで猛スピードで
にじり下がる様は圧巻でした。
壁の直前で身を翻しますが、後ろに眼でもついているの?
というギリギリまで下がります。
あと一歩動けば、間違いなく、壁を突き破るはずです。

また、両手先を棒にくくりつけられた、不自由な格好で、万一、変な転び方でも
すれば、大ケガを招くでしょう。

夏巡業は、毎回、違う会場で、しかも、普段は歌舞伎など行われないところで
演じるのですから、非常にやりにくいと思われます。
それを全く、感じさせず、ホームグラウンドのように伸び伸びと演じる菊ちゃん!

一体、どれほどの厳しい稽古を積んだらそうなれるの?
私は、思わず、泣きそうになりました。
菊之助は、やはり、当代花形のナンバーワンの役者といえるでしょう。

ええ、私は、海老様ファンですけど、菊ちゃんの実力は認めざるを得ません。

海老様、真央ちゃんとラブラブなのも微笑ましいですけど、ライバル・菊之助は、進化してますよ~。