航空機と車利用の1割鉄道に CO2削減効果は?


2006年08月20日20時48分


 飛行機と乗用車の利用の1割を、鉄道にすれば、二酸化炭素(CO2)の排出を1%減らせる――。そんな試算結果をNPO法人・気候ネットワークがまとめた。京都議定書が定めた日本の基準年(90年)の排出量のうち約1%にあたる1232万トンで、大きな削減効果があるという。

 京都議定書で日本はCO2などの温室効果ガスの排出量を基準年比で6%減らすことを課せられているが、04年度で8%超過している。運輸・旅客部門では、90年度に比べて04年度で旅客交通量(人数×距離)の増加は9.3%だったが、CO2排出量は42.5%と大幅に増えた。1人を1キロ運ぶのに排出するCO2量が多い乗用車(鉄道の9.5倍)、飛行機(同5.8倍)の利用が増えたためだ。

 そこで、日本全体で飛行機と乗用車の利用のそれぞれ1割を鉄道に移したとして分析した。その結果、飛行機と乗用車と鉄道によるCO2排出量は計1億4573万トンなのが、1億3341万トンとなる。削減量は東京ドーム約5000杯分で、バスや船舶も含めた旅客部門全体の7.7%にあたる。

 同ネットワークは「鉄道へのシフトを早急に進めるため、炭素税の導入や、出張で鉄道利用を求めるなど温暖化防止の制度が必要だ」と提案している。



http://www.asahi.com/life/update/0820/006.html