緩和病棟での1日目。
一般病棟とは違って明るいし、広いし、祖父も喜んでいました。
入院中、お風呂に1度も入れていなかったのですが、緩和病棟では特別なお風呂の機械があるそうで、
「少しよくなったらお風呂も入りましょうね!」
と看護師さんに言われて、お風呂大好きな祖父は大喜び
ところが2日目からは、日中はずっと寝ているし、夜は暴れ出すしで、ナースステーションに1番近いお部屋に移動となりました。
幻聴や幻覚?もあるようで、心配…
祖父が亡くなる前日。
緩和病棟へ来て6日目頃かな?
日中ほぼ寝ていた祖父がいきなり元気になったんです!
元気になったと言っても、歩けないけれど…
ずーっと起きてお喋りしてる!
この日は緩和病棟へ、ピアノの出張コンサートが来るというので、祖父を久し振りに病室の外へ!
この時は、私と妹と子供達、いとこ夫婦がお見舞いに来た日でした。
最初は行かないと行っていた祖父でしたが、気分転換になると思って、半ば強引に。笑
皆さん、車椅子での参加でしたが、祖父だけベッドのまま。
ピアノの演奏を聴くような人じゃなかったけれど、涙を流して聴いている祖父を見て、私達ももらい泣き…
演奏を聴きながら、祖父から手を握ってきたり…
もう自分の最期がわかっているような様子でした。
看護師さんが記念撮影をしてくれたのですが、その写真を見て
祖父:「自分じゃないみたいな顔だな。こんなになってしまったのか〜」
と少し寂しそうに笑っていました。
入院中、1度も自分の顔を鏡や写真で見てこなかった祖父。
緩和病棟に入って1週間で、誰だかわからないくらい痩せこけて、目も小さくなって、鼻と腕には管が。
本当に別人みたいで、自分でもびっくりしていました。
部屋に戻って少し話をして、帰る時間。
いきなり祖父が私の手を握って、目を見開いて、私の顔をじーーーっと見つめてきました。
演奏の時もだったけど、祖父から手を握ってくるなんて、何年振りだろう。
私も祖父の手を握り返して、「また来るからね!」と言って、病室を出ました。
これが祖父との最期の会話。
この日の夜、祖父は親戚や親しかった友人の名前を呼んで会いたいと言ったそうで、皆が駆けつけてくれたそうです。
みんなにお別れをするつもりだったのかな〜
次の日、祖母と妹とまた面会へ。
昨日の元気な様子が嘘みたいに、ずっと寝たままの祖父。
そして、緩和病棟に入ってから、日に日に酷くなる死臭のようなニオイ。今日も凄い。
これは、ニオイに敏感な私しか感じませんでしたが…
全く起きる様子もないし、子供達のお昼寝の時間ということもあって、帰ろうかという話になりました。
祖母は、毎日朝から夕方までずっと祖父と一緒に過ごしていたので、私と妹だけ帰る事になったのですが…
「帰るね!」と言ったものの、なんだか帰りたくない…
妹も同じ気持ちだったので、一旦みんなで休憩スペースでお茶を飲んで帰る事にしました。
実家で子供達のお昼寝をしていた時。
妹へ父から電話が。
もうすこし続きます。