jack へ 

 

君たちと過ごした香港の姿は激変していたよ。

正直に言うよ。

宿でも大学でも街でも香港人、そして中国人にまで話を聞いたよ。

驚いたことに、"デモを支持する"と、答えた人にしか出会わなかったんだ。

宿で一緒になった中国人にも聞いたけどやっぱり答えは同じだった。

 

君が生きていても

香港の芸能界で成功をしていても

きっと何らかのアクションを起こしていただろうね。

 

 

ランカイフォンに行ったかって?

もちろん、行ってきたよ。

ヴォラは完全にお茶ひいちゃってた。

ドラゴンアイはボチボチ。

相変わらずだった。

 

 

エントランスにはモデルの子たちがいて

何も言わずに手を差し出したらモデルのスタンプを押されたよ。

だからモデルテーブルに行って一言だけ挨拶してから席に着いたよ。

先週来たばっかなんだけど、ここに座ってもいいかい?て

 

ha ? 別にいいけど ? って ロシアンガールなのかな?

つまんなそうにスマホばっかりいじってたよ。

 

そう言えば、僕らが出会った頃はまだスマホがなくて

それはそれでいい時代だったかもしれないね。

世界中から集まった奴らが好きなだけ酒を飲む。

 

 

jack、君とあの頃の仲間に約束するよ。

あの頃のことをいつか小説として書くね。

ささっと書いた最初のエントリーも意外と好評だったしね。

 

 

あ、そうそう

目ん玉飛び出るくらいの美人も久しぶりに見たよ。

目ん玉飛び出るって言うか、目が溶けるかと思ったぜ、マジで。

いや、神様が本気出して作ったのか知らないけど、

もうね、引退したイエローからすると、同じテーブルにいて

何食わぬ顔して酒飲んでるだけでもよくやってると思うよ。

 

 

あぁトイレのおばさんはもちろん変わってたし、挨拶したかったけど

それはしょうがないことだよね。

 

でもあのルールだろ? 

"テーブルからトイレまでの間を

思わずモデルウォーキングしてるスカしてる奴らは相手にするな!!"

 

やっぱりあのルールは俺たちの鉄板だね。

誰も見てないってのにね。

 

 

ジャック、俺たちの仲間は世界中に散ってしまってもう誰もいなかったよ。

11年か、当たり前だよね。

 

 

編集者とは連絡をとったけど会わなかった。

君に会いたかった。

大人になった君にね。

 

 

もう一度だけ書いておくね。

i love you i love you my bra !   

天国で酒飲もうな!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

取材 text by Sotaro Ohdake 

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