香港取材は無事に成功し、

一体この国で今何が起きているのか?自分の目で目撃し

時代の象徴とされるような場面を幸運にも取材する機会に恵まれた。

寄稿は日刊ゲンダイに行ったが、参議院選挙が近く300字程度のスペースしかさけない都合があり

ほぼ事実のみを記すことだけに留まった。 ⇨   ゲンダイ記事

 

この場を借りて、取材に協力してくださった方々の声や私が体験した出来事を紹介したい。

話を聞かせていただいた皆様にお礼を伝えさせていただくと同時に、

私のレポートを通じて

香港の今を感じていただけたら幸いだ。

 

 

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香港到着翌日から取材を本格化させることができた。

11年前、私と同じ時期に香港に来ていたモデルの友人が

現在でも香港に在住する起業家や

芸能関係者と繋がりがあり、彼らとのつなぎ役をかってくれたのだった。

 

 

数名の方達から得たインタビューは驚きの連続だったし

“これどこにも書けないや”と言った類の貴重な話も多かった。

私はイエロージャーナル(芸能、グラビア、風俗ネタなど)は書かない。

しかし、香港で生き抜く気合の入った起業家やクリエーターの方々からは

ラグビー五輪に関する裏話や政界の裏話を聞くことになり

知識として点と点が繋がり、物書きとして血となり肉となる事を実感した。

 

 

書ける範囲でここにプロテスト関係の事を書こうと思う。

 

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Aさんはスポーツ関係に明るい。地元のサッカー選手にインタビューを申し込んだが

すでにチームから”プロテストに関して発言は控えろと”通達が出たとの事。

申し訳ない、とAさんは謝ってくれたがこれこそが私が知りたかった事実だったゆえに

逆にお礼を伝えた。

 

弁護士や医師などもプロテストに対して賛同している。

がしかし、一部の富裕層ビジネスマンや芸能関係、スポーツ関係者は

発言を控えている。

(ジャッキー=チェンがこの問題に関して政治のことは

難しいよく分からないと言った旨の発言をし大きなバッシングを浴びた

またなぜ富裕層が発言を控えているか今後のレポートで追記したい)

 

その点、まだ社会的のしがらみのない若者の多くが声を上げている。

日本の2015年 国会前安保デモにも似ている。

そう言った構造があるのかと想像した。

 

 

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Bさんはアーティストとして活動する日本人フォトグラファーだ。

マグナムフォトに所属しクリントン元大統領の写真のプリンター(写真の色味を調整する)係としては

働いていた経歴がある。

 

私たちジャーナリストや報道写真かでマグナムの名前を知らないものはいない。

今なんておっしゃいました?と何度も聞き返す話題の連続だった。

 

Bさんの経歴として面白い点が北朝鮮にも6回ほど取材をしているという。

政府高官とも繋がりがある。

北の面白い点はね、将軍様万歳ってそう言っていれば(体制側にいれば)

かなりの自由が認められているところ。冗談も通じるしね。ある意味今の日本より自由じゃないかな。

 

Bさんのアートワークは監視や規制の対象にならないのか?聞くと

言語化できない何かを表現したくて写真を撮る。もちろんキャプションや説明はするよ。

そこがきちんと出来なければ商品価値は生まれないから。

ただ作品について危険だって言われても

奇行作品だって自分で言ってのけるもん。

香港に滞在して長いから前回の雨傘革命の時も写真をとった。

 

素晴らしい作品だって香港や海外、日本にも売れたけど

時々当局側に勘ぐられるのよ?お前どこまで知ってるんだって?

 

知らないよね。ほとんど何も。雨傘の時もたまたま新しい望遠レンズ買ったら

その帰り道にわーっと始まっちゃってさ。それがスクープだって。

本当に何も知らないんだよね。。ただの表現。

 

時々、写真かや報道者の中に強烈にヒキの強い方々がいる。

Bさんもまさにこのタイプなのだろう。

そして同時に海外で商業的に成功するための自分のブランディングや

作品の見せ方、伝え方を心得ている。

 

俺は両親から差別でもなんでもしてみろって教わった。大変だからって。

自分で好きなことのために好きな事を24時間考えるのってすげー大変。

今回のプロテストについて、もちろん支持するよ。

言いたい事を言え。それだけだね。

 

 

Aさんが頃合いかと会計をして別の店に流れることになった。席を立ちながら意外な事を言う。

 

そう言えばsotaro君

今回のプロテストにはCIAや中国本土から派遣されてきてる公安も民衆側に紛れ込んでるからね。

行動にはくれぐれも気をつけて。

同時にちゃんと見てこいよ。

 

 

ビール一杯がやけに酔う午後だった。

 

 

 

 

 

 

取材 text by Sotaro Ohdake 

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