三笠屋 店主 本山 太一朗 さん
急な取材依頼に、午後３時以降に来てください。
賄いでも食べながらお話ししましょう、と気さくに応じて下さった。
香港セントラルから約２０分ー
カオルーン サイド
Thim Sha Tsui ( チム サー チュイ) に店を構える。
立派なカウンターが印象的な寿司と日本食のレストランだった。
本山さんは
料理の道で生きていくと決めて、専門学校を卒業後
大阪のお店で修行。その後ご両親が経営する実家の店に戻るも
どこか物足りなさと挑戦したい気持ちを持っていたと言う。
そんな折
13年ほど前に香港に日本食レストランの職人として誘われ以来、香港の最前線で腕を振るい
4年前に実家の屋号を引き継ぎ現在の店を切り盛りしている。
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「 板前は美味しい物を食べなくてはいけないんです」
香港には日本から毎日新鮮な魚が届くし
九州にいる頃より触る魚の種類が増えた。
香港にいると日本にいては出会えない人たちと出会うことが出来る。
スケールの大きさに感化される。
その感動を、料理に表現する。
包丁一本と腕があれば私たちは食べていけるし
ここ香港でやっていれば世界中どこでもやっていける自信がある。と教えてくれた。
香港は好景気に沸きに、店舗の家賃も跳ね上がっている。
150万円だった店舗テナント家賃は今では３００万円になった。
香港の現状について聞く
香港が好きだし、可能であればずっとここで生きていきたい。
香港人が好きだし、パワーがある。
しかし、香港の未来を考えた時
誰もが不安になるのではないか？香港人ならなおさらだと本山さんは言う。
政府の手厚い政策によって貧しい人たちもそれなりには生きていくことが出来る。
しかし、彼らにとって自分の家を買うことはかなり難しい。
収入と家の値段がかけ離れている。
もちろん大金持ちもいるが
金持ちの(富裕層の)中には移住を考えている者も多く
イギリス、カナダ、アメリカ、オーストラリアなど
また一般層は台湾などが人気が高く
実際に移住した者も多くいる。
現在の香港政府のトップが中国寄りであり
普通選挙が止まる恐れがあった2014年
雨傘革命の時も香港人のエネルギーを感じたし
今回のデモも同様だ。
逃亡犯条例 改正 その裏には言論の弾圧と市民生活の自由を奪われる危険性をはらんでいる。
10人の香港人がいれば１０人が反対をしているように、そのくらいに熱を感じる。
私も今回のデモの現場を見たいと言う気持ちがあった。
しかし私は政治活動について自分の中にルールを決めている。
SNSなどでデモ活動について拡散して欲しいと情報が回って来ても
私はそれを断っている。なぜか？
それは私は、あくまで外国人のとしてこの国に住まわせてもらっている身分。
だからこの国の政治について思うことはあって参加しない。
(中国に対して批判的なことを言えば逮捕されるのか？それが香港に滞在している日本人でも
同様なのか？考えてみれば、もちろんそれは恐ろしいことだ。)
だけど、日本を離れてみて思うことはたくさんある。
日本人は皆、考えることを手放しているように感じる。
香港の人たちは今回の法改正がいかに自分たちの将来に関わるか考え気がつき行動している。
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「この時代をサバイブしていかなくてはいけない。」
私は日本に戻るイメージは持ち合わせていない。
思考停止になってはいけないし
感動したいし、危機感を持っていたい。
美味しいものに感動して、感動を届けられる料理人として
これからもここ香港で生きていきたい。
sotaro君
私には警察官の友人がいる。彼らも大変だと思う。
トップが決めたことに従う。
それにぜひ
中国寄りの人にもインタビューしてみてくれ。
誰が市民を撃ったのか？それは香港人か？中国の公安警察か？
それは香港人の感情を考えれば明らかにはしないだろう。
香港人が賢いと思うのは、断固として撤回を求めている点だ。
自分たちの将来におかしいと思うことがあれば声を上げなくてはいけない。それはやはり必要なことだと思うよ。
了
取材 text and photo by Sotaro Ohdake
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