散文詩 アメリカに憧れて



僕が初めて出会った自由な大人は地元の美容師さんだ。
ハーレーに跨がり、髪の毛をソフトドレットにしていた。


僕に、働く場所と
サッカーチームを与えてくれた。
Black peneys チーム名の由来はここでは割愛しよう。

インディアンジュエリーを身につけ、煙草をこよなく愛する。
銘柄は昔からラッキーストライク。

Joさんは変な人。『イメージしてごらん。ピーッンって考えるとよって来るから!』
お店の電話が鳴る。出る前から誰からの電話かJoさんには分かってしまう。

今、僕は美容の道は歩んでいないが
僕のマブダチがJoさんの元で働いて10年になる。



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『この匂いだよ。アメリカの匂い』
blanky bar. 煙草の脂が染み付いた地下の飲み屋。
ジオラマアーティストとして世界的に成功した田村さん
ドクターとアーティストとモデルを辞め30にしてプータローだった僕は
この日4件目の梯子酒。
『アメリカ軍人の持っているコーラの瓶が大きくてさ、2Lくらいだったかな。当時日本にはそんなものなくて、おまけにあいつらバカみたいにデカイ肉を焼いてBBQしてるんだ。この国には負けたんだって、勝てないよなって子供心に悟ったよ』



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33歳
心臓発作で死んだ兄と、兄の友人佐野ちゃんでアメリカとメキシコを旅した。
僕は17歳になったばかり。3人で東海岸をざっくりと縦断した。
空は退屈な位広く、空の彩度は低い。ラスベガスの満点の星空の元
僕は野糞をした。今頃、立派なサボテンが育っているかも知れない。





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僕らが憧れたアメリカには嘗て
インディアンと言われる(その言葉自体が西洋的だが)
ネイティブアメリカンの大地があった。
星を読み、文字は持たず、口語により文化や秘密を継承した。




例えばこんな感じ。


空から『灰のつまったヒョウタン』が落ちて来たら、これまで秘密にされてきた
教え、予言、伝承、を広く公開しなければならない。

ホピの代表者—ネイティブアメリカン氏族のリーダーが打ち明け
他の氏族が続きスポークスマンや翻訳者を招き
公開に踏み切ったのは1947年。

広島、長崎に落とされた原爆が彼らの秘密を公開させた。
また彼らは歩きNYの国連総本部に手紙を届けた。
『私達の土地は決して金品で買う事の出来ない物だ。私達の伝承と宗教は、人を苦しめたり殺傷してはならぬと教えています。私達の子孫が戦争のため訓練を受け、殺人と破壊を強制される事には反対します』




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死んだ兄は結婚したばかりの奥さんのお腹に子供のを残して逝った。
すくすくと育ち、小学生になった。持久走は一番。
そして僕はこの夏、9つ離れた兄の年齢に追いつき33歳になった。




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今日一番 大事な話。

国境線が
その名の通りボーダーとして機能し
国と国とを隔ていたのは今や昔。人や文化、宗教や習慣を分ける隔てる境界線は日々曖昧になって行く。



第二次大戦後、国家の姿をした権力者=亡者たちは石油利権を奪い合った。
今、その正体は国家からグローバル企業へと姿を変えている。



マネーロンダリング リチウム 水 著作権を有する製薬会社
保険 投資銀行 。
一般の人は知らない名前の知らない企業が
かつて植民地支配する国がアフリカ等でやっていた支配を
今、日本でやっていると聞いたら あなたは信じるだろうか?




食を支配し、空気は汚染され、水もエネルギーも抑えられた時
人々は思考停止になりスポーツ(娯楽やTV)とセックスと宗教にすがり
働き一生を終える。

人口増加を防ぎ、メディアコントロールで人々を無知にさせる。
遺伝子換え食品で弱い人間を増やし淘汰させ、貧しい若者を徴兵制で戦地に送り込む。
医療界にグローバル企業を参入させ、医薬品の特許権を認めさせる。
国保を崩壊させ、金持ちしか医療にありつけない。



ISD条項をしれっとTPPに盛り込み、憲法よりも国際条約よりも企業の契約が力を持つ構図。




僕らは今、
目の前の主張に左右され
右派とか左派とか言ってる間に分断され
隣国 国家間の憎悪を煽られている。


戦争に踏み切ったら誰が笑うかは想像に容易い。
(ビジネスマンの皆さん軍事産業株、買いですよ!)




すばらしき平和な国—日本
裸の王様は じいいちゃんの名誉回復にこだわる一点。
使いパシリ。
スネ夫は奥様にも愛想を尽かされ
よく見たら、時々背中のチャックが開いている。




自由の国とはよく言ったモノだ。
かつて抱いたアメリカへの憧れは、今はない。
イラクに大量破壊兵器はなかった。間違いだったとイギリスもメリケンも認めた。


いつか僕が生まれ育った国に愛想をつかし国籍を棄てる事があっても
世界で一番便利な国、米国籍やパスポート、緑色のカードは要らない。



僕にとっては鼻くそ以下の価値もない。あしからず。






***


『創太郎!またモデルやれよ !!! 』`14年秋、諭された。
NY在住のフォトグラファーを紹介され作品撮りをした。
最高の仕上がりになった。


今日もまたまたマブダチから電話が鳴る。
僕も誰の影響か良い電話かどうか位は判断がつく様になって来てしまった。



『創太郎、DUCATIのモデルやんない?Joさんがドゥカティjapanの社長さんと昔からの知り合いなんだって!!』



DUCATIはイタリアのバイク企業だ。アメリカへの憧れはなくなった今
乗り換えるには良い機会かも知れない。




Joさんには毎回僕のメルマガを送っているが、彼が読んでいる様子はない。
分からない。読んでいても知らない振りをしているのかも知れない。
ただ、Joさんはブラジル渡航の際 広告料として僕に現金を渡し
僕の活動を応援してくれている。話し込まなくても、元気?の一言で。
カラー剤が染みついた手で、今日もハサミを動かしている。









最後になる。
僕のfreelanceなjournalist活動は国内企業の広告費
そして沼津の理解ある大人、有料メルマガ読者様の応援によって成り立っています。



guk hair 沼津
〒410-0803 静岡県沼津市添地町67 055-951-1011
きっとお気に入りの髪型が見つかります。
有り難うございます。 Shap






光より速い速度で
詩は美しさにのみ その責任がある。


































all photos and text by sotaro ohdake / freelance journalist

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(参考文献 
ホピ宇宙からの予言 ルドルフ カイザー 木原悦子翻訳
徳間書店 -検印廃止図書- 1995年初版
one drip café 小伝馬町の本棚より引用)