こんにちは、またまたすっかりご無沙汰してしまいました
皆さん元気にお過ごしでしょうか?
ここから数回のエントリーは帰国後の日本での生活の様子を(主に東京での)、
ゆるめ、かため、合わせてUPしていきたいと思います

africaでの日々の出来事も、まだまだ伝えたい事が溜まってしまっていますが、
そちらはあえての後回し

せっかく、皆さんと同じ日本いて共有、共感して頂ける事があれば....と、思っています
それでは、お付き合い下さい











tokio days 1

帰国







マレーシア、クアラルンプール国際空港からおそよ7時間
機上の遮へい戸、座席左側には、朝の光と夜の闇が混ざったグラデーション
雲の上でしか見られない不思議な光景がただただ広がっていた。
天国に近いと想像した。
そのグラデーションの混ざり方は、分単位で表情を変え
朝から離れ夜に向かう僕らの船に、朝は容赦なく追いつき、夜を溶かした。

壊した胃をかばう為、ひたすらに赤ワインを飲み込む。
アジア圏、クアラルンプールでレンタカーを借り過ごしたおよそ24時間は
アフリカを忘れさせ、熱を冷まし、日本慣れするにはちょうどいい時間となった。
黄色い(と、されている)顔、似ている顔、醤油と甘い空気の匂い、街に銃のない安心感は
僕を少しずつ、一種の緊張状態、魔法に似た状態から呼び醒した。
窓の外から見た成田の田園風景、スチュワーデスによるtokioの天候案内は
僕を憂鬱にさせ、胸を締め付けた。

成田空港に到着後、無機質な壁の色、何処を見てもきれいに直角な柱や直線の連続
広告の文字やポップ、タレントの顔、彼らへの想像イメージ、隣人の会話
情報がクリアに、過剰に視界や聴覚、皮膚感覚を刺激し続け
僕は想像の中に、思考の中に戻る事が出来ず、陸に上がった生物の如く呼吸困難に陥った。
狭い小さい緑のない家々、ビル群。彩度の低い薄い雲がかかった空。
知っている、分かっている、経験があっても、痛烈に強烈に日本酔いを味わったのだった。

やっとの思いで住処のある巣鴨駅に辿り着く
線路と国道が十時に交わり、今日も風が抜け(潮風ではないが)、山手線内にしては比較的広い空を見ると、幾分気持ちは落ち着いた。


付き合いの長くなってきた仲間が新規オープンさせた、渋谷=宇田川町の花屋兼cafeを訪ねた後
映像制作チームのミーティングの為、夜の新橋へと向かった。
終電時間になり店を出る。
前を行くサラリーマンの一人が、めんどくせぇー!!!と奇声をあげ、
スーツ姿のままコンクリートの路上にでんぐり返り、荷物を散らかす。
新橋駅のホームには酒臭い息の男女が山となり群れとなり、ホームを埋めケータイを覗き込む。
みんな無機質に、よく似ていると感じた。

『ソータロー君、帰って来てどう感じる? 日本って冷静に、客観的にどう?』

「 かなり良くない と、終わっている の、 間くらいって言ったら大げさ? かな? 」

『俺もよくこの光景を見て考える。これが日常だと、疑問を感じないのかもしれないね』

「考える事が出来ない。または疑問を感じても、もう、動けない 動かない
そんな生き方は俺はごめんだね
例えばさ、自分の飼っている ペット=犬でも猫でも、彼等の毛がハゲ、抜けたらどうする?」

『病院だね』

「だよね。同感。」


僕らは電車を一本見送った


「ユースケ君 俺等ロマンチックな大人になろうかい 」
『それ、いいね同感。』


赤ワインってさ、飲み語るのに、ちょうどよく酔えると思わない?

へーそうなんだ?
胃を壊して、良かったわ。酒の中で唯一、最後まで苦手、うまいと思わなかったけど変わった。

ソータロー君、大人の階段登ったね。



チーム解散後
6月からブラジルに乗り込む現場隊
企画の打ち合わせと称する二人飲みは、終始実りある無駄話に終わり、朝を迎えた。