虹の国をみつけたら past 5





ヨハネスブルグ国際空港
成田を発って18時間。タイのバンコク国際空港を経て僕は南アフリカ、ヨハネスブルグに降り立った。
開幕直後の空港には打楽器、ラッパ、母国の国旗を持った様々な国のサポーターが犇めき合い、到着ロビーはプラカードを持ち待ち合わせ相手を探す群集に支配されている。
共通言語はサッカー。誰かがボールを持っていれば、空港のロビーですらすぐにセッションが始まる。
ショップスタッフですら迷惑な顔一つせず、一緒に参加してしまうのだから、ここ南アフリカのサッカー愛は深い。
ブラック、ホワイト、混血が進んだアフリカンにアラブ系、肌の色、目の色も様々だ
自国賛美の歌。ライバル国が歌えば負けじと自国の応援を始める。
4階建が吹き抜けのロビーホールに太鼓のリズムと男たちの声が木魂している
4年に一度の祭りは始まった。それを実感するには充分だった。

誰かが言った
バックパックは少し重たい位が丁度いい
本当だろうか?

通信会社のMTNやボーダコムの仮設テナントショップ、FIFAのオフィシャルテントにチケット発券所。
両替ショップにカフェまで多くの人がごった返し何処のテナントも長蛇の列を成している。
観戦チケット取得、宿予約、ネット環境の取得・・・すべきことは山積みだが、さておき、旅の始まりはこの空気にまずは身を委ねることにした。

買ったばかりの一眼レフの包装紙を捨て首にかける。スーツケースは一番信用できそうなカフェスタッフに預け空港内を歩くことにした。

夜は更け、酔っ払いの声とブブセラ(ラッパ)の音が響き渡る空港。
一便一便、時間の経過と共に集まった日本サポーター達と一夜を明かした初日。
サッカー談義の土産に、デンマーク戦のチケットの余りをUS$30、カメルーン戦のチケットをUS$50で譲り受け、僕の旅はなかなか幸先良いスタートを切った。






text by sotaro ohdake
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