各分野のスペシャリストを招いて
友達感覚でインタビューする企画第一弾
今回のゲストは
248ケ国を訪れ今年世界制覇した日本一の旅人
黒岩 直己さんです
http://courier.jugem.jp/


※僕と黒岩さんの出会いは2010年W杯開催中の南アフリカだった
帰国後、一緒に酒を飲んだり日本代表の試合を観戦したり
仲良くさせて頂いている
約半年ぶりの再会で自身の12月に迫ったアフリカへの出国、企画についても相談をかねたインタビューとなった


Q1
読んでいる方への自己紹介もかねて、年齢と職業を教えて下さい

K  黒岩直己です 今年39歳になります 職業は個人事業主、
ヨーロッパやアメリカでアパレル商品を仕入れネットで販売したり、企業に卸しています 

Q2
248ケ国の旅、世界制覇おめでとうございます
まず、最初に、海外を旅したいと思ったきっかけを教えて下さい

K  大学時代に友人の家に遊びに行きました
彼の父親は商社の社長さんだったんですが
たくさんスタンプのついたパスポートを見せてくれて
すごいな!!と、かっこいいな!!と思ったのがきっかけです
しかし、もっと言えばNHKの番組、シルクロードなどを見ていて
俺も、あんな所に行ってみたい!!と、思ったのがルーツです

Q3
実際に海外に行く様になったのはいつからですか?

K 初めて海外に行ったのは高校2年生の時です
国際交流で東京代表の学生として姉妹都市の北京や上海に行きました
最初にパスポートを持ったのも同時期です
今思うと、他の人より早くパスポートを持てた事はかなり大きかったです
これで海外にいつでも行けるんだという証 行けると言う実感が伴う所がポイントです

その後大学に進み、ラクロスに熱中しました
レベルの高いアメリカやオーストラリアに行きました
まだ日本の審判のレベルが低く本場の審判団を日本に招きエスコートしました
その時、自分よりも上の世代の旅人からオーストラリアから旅立つ世界一周チケットがたった12万円で手に入る事を知らされました
燃油サーチャージなどない時代です
世界一周を具体的に意識しはじめ
実際にそのチケットを購入し旅に出ました
因に今では40万円ほどかかります

Q4
世界一周でも凄いと思いますが
その後、全世界 すべての国と地域を回る
これは偉業と言ってもいいと思います

K 偉いか凄いかは別として達成感と目的を果たした虚無感があります
私以外に過去に1人と1組の夫婦が達成しています
私は日本人で3番目となります
国は地域をどう定義するか245という人もいますが248というのは
実質50人程度の小国(ピケトアン)や南スーダンなど出来たばかりの国にも含まれ
建国後訪れました
2012年達成の最新版の記録ではあります



Q5
個人的に聞きたいのは、北朝鮮にも行かれたと思います
我々日本人にとって近くて遠い国だと思いますが
その時の話を聞かせて下さい

K 厳しい日々でした 個人的な感想ですが北朝鮮を旅するのは4日間が限度、限界です
中国の旅行会社のツアーに申し込み北朝鮮に渡りました
意外にも思いますが1年で140人ほどの日本人が同様に中国からツアーで北朝鮮に渡ります
しかし、私が参加した時、参加者は私1人でした
日本語を話せる通訳、ドライバー、スタッフが各1人ずつです
毎食後、戦争中に日本人がした悪事を延々話されます
俺のおじいちゃんは日本兵に鼻や耳を切られた
拉致がなんだ?俺たちのおじいちゃんだって行方知らずだ
繰り返しますが4日間、毎食後です
こちらが1つ言うと100倍返しでした
会話がそこでぶつかり
その先の話が出来ない状態が続きます

(※黒さんの話を聞く限り、彼は右派でも左派でもない
  旅人として、一日本人として聞きたい事を質問しても
  会話の出だしで歴史認識の誤差、或は感情論で話が深まらなかった事、そのニュア  ンスを追記させて頂きます)

Q6
街にいる北朝鮮の人とは話せますか?

K ほぼ不可能です
電車の中やスタジアムで少し言葉を交わしました
ラグビー日本代表のシャツを着ていると
『愛国主義だな』と、だから
「Yes 俺はスパイだぞ!!」
とか言いましたが、その辺の冗談は通じました

Q7
意外ですね笑
街の印象を教えて下さい

K 見える範囲では飢えて物乞いしている人もいませんでした
街もゴミがなく比較的きれいで
というかそもそも捨てるゴミがない
ある意味、資本主義との対極を感じました
僕が思うに資本主義とはある一面では、いかに壊れるもの、ゴミになる物を作り買わせるかです
そうしないと企業は成長し続けられず資本主義はシステムとして成り立たなくなりますま
北朝鮮では
畑と畑の間のあぜ道にもトウモロコシの木が植えてありました
一本でも木が育つならそこに植えるといった風景で
この国の人たちの飢えに対する恐怖心の強さを感じました
4日間の滞在で中国までの渡航費を合わせると北朝鮮の旅費は20万円近くです
そこまでの大金を払って北朝鮮に訪れる人は少ないと思いますが、自分の目で見て歩いて感じれた事が貴重でした。
北朝鮮を旅した後、その様子を韓国の人と話すと以前より1つ奥行きのある話ができる様になりました。意外に思うかもしれませんが、北との統一を望まないという意見が何度か韓国人の方から聞かれました。世代間の認識ギャップもあると思いますが、同胞というかつての意識から、既に別の国である、と言う認識があるのも事実です

S 同感です 僕も以前、同じ意見を日本に留学している韓国の女性から聞きました
しかし、北朝鮮の実態を知れる、つまり
報道の規制がかかってない事実を知れる、それが旅の醍醐味でもありますね


次編に続く

今企画、黒岩直己編は現段階で全何回のエントリーになるか未定です
次編では最高だった旅、危険だった体験、なぜ旅をするのか、若い世代へのメッセージ、日本はこうなったら素晴らしい、などそんなエピソードを掲載予定です