そうた、熱をだす。

そろそろ熱だしとこっかーって気軽にだすよね。


おかげでお出かけできないし暇なので、Nゲージの線路にどっちが早く車両をのせれるか選手権をした。

これは非常に繊細な動きを求められる。

ふつう鉄ヲタは専用のキットを使い、車両を線路にのせる。

手の脂なども車両と線路を痛めるらしい。


いっても、わたしもそこそこのおとな。

負ける気がしねー!


ストップウォッチも用意し、交互にタイムをはかる。

もちろん早くのせたほうが勝ちだ。


先行そうた選手。

5.58秒!

一瞬で決めてきた。

えっ?ってなった。


まぁ、偶然だろう。

偶然一発で乗ったんだろう。


ここは様子見だ。

後攻ママ選手。

15.69秒!

いいところだろう。

むしろかなり早い。


これまでの自主練では30秒以上ザラだった。

さすが本番に強いこけし。

3回勝負、このままの伸び率で一桁台を叩き出す所存だ。



さぁ!2回戦、そうた選手。

8.93秒!

そしてママ選手、13.71秒!



…もう、やめたい。


でも、途中で諦める姿を見せてはいけない。

母としてやり切った姿をみせるのはいまだ!

みたいな。


3回戦もとりあえず順調に負けて

「優勝者!そうた選手!」とそうたは大喜びしたあと、スコアボードの名前を入れ替えてくれた。

そして「優勝はママ!」と拍手してくれた。


なに、尊いの?

天使か菩薩なの?

前世はガンジーあたりなの?



一方…

「大人の本気をみせてやる!」なんて鼻息荒くして、ほんとごめん。

負ける気がしねーとか、大人げなくて、ほんとごめん。



人の幸せを一緒に喜び、悲しみを一緒に悲しむ。

こどもってほんときれいだ。



ところで、なんでそんなにNゲージの扱い上手なの?