先ず自然法爾(じねんほうに)を端的に知るのにピン札を一枚用意して、その長辺を上から見た時、Wに見えるように4つ折りにします。

それを、水平な机などに立て、真ん中の折り目に百円硬貨でも乗せて下さい。

これで、準備が出来ました。

 

さて、そっと、ゆっくりの動作で、実験です。

お札の両横の辺を、両手の親指と人差し指で挟みます。

そして、息を丹田に収めてから、鼻から細く息を吐き出しつつ、ゆっくりとお札を両側に引っ張って行きましょう。

やがて、お札の上辺は横に伸びほぼ一直線になってきます。

 

そして、どうでしょうか。

百円硬貨が薄い紙の上で、バランスを保って乗っかっていますね。

これ、大成功です。

 

会の息遣いと澄ましが整う修練にもなります。

 

初めから折り目の無いお札の薄い辺の上に百円硬貨を乗せようとしても、バランスを執って乗ったままにするのは神業です。

私が紹介したこの実験は、硬貨の重心とそれを支える紙辺との位置関係で増減する摩擦力の変化で起こります。

摩擦の小さい方は硬貨の表面を紙辺が滑り重心に近付きます。すると、その部分にかかる硬貨の重力が増大するので滑らなくなり、逆に摩擦力が小さくなった紙辺の他の部分は滑って硬貨の重心に近付きます。

これを多数回繰り返すうちに、硬貨の重心を囲む様に支える紙辺がどんどん狭くなって、やがて、紙辺の一点で硬貨の重心を支えるようになります。

 

これは、物理的な当然の現象です。

これに関わる人が邪魔をしなければ、成るべくして成る現象です。

 

さて、長銃身の法則ですが、外見的には、弓手手の内と馬手の肘先の二点で張り詰めれば、弦枕から弦が分離するために多少馬手の手の内が動くのですが、弦は張り詰めた両端の張力のお陰で不動の位置取りになります。・・・これ、自然法爾です。

 

まあ、気持ち的には、弓手と馬手肘との線分ではなく、この2点を含む直線的な感覚が、嘘くさい不言流の長銃身の法則感。