離れて弦返りする弦は、どうなっているのでしょうか。


矢が並進運動をする様な場合は、基本的に矢筈の振動に合わせて、矢筋・中位・・・外・・・中位・・・内・・・中位と弦が振れて矢離れしていきます。


また、基本的に、下弦は本弭が最も的側へ出る時まで張力を保っていますが、上弦は上押しの利き様で差こそ有れ、比較的に弛んでいる時間が長いですね。


殆ど矢色が付かずに矢筋に飛んで行く矢の場合は、特に上弦に意図的な動きを込める事が出来ます。

そして、この上弦の動きが下弦をも巻き込んで、弦全体の動きとして現れます。

これを、不言流では弦振りと云います。


この弦振りの例として皆さんが知っているのが、弦の頭除けです。


この弦振りを引き起こすのは、馬手の帽子と捻り皮による捻りです。

多少弦が曲がる位に捻っても、まあ極端な量ではありません。

それで、矢に十分な運動量が有れば終盤までは矢飛びにほとんど影響を与えず、矢離れする瞬間の筈と弦の分離の時にだけ矢飛びに影響します。


私の今使っている入木過ぎる弓の場合は、矢離れする瞬間、弓の初期回転で10度前後弓返りの方向に回転しているのですが、入木なのでそれよりも更に本弭や末弭が右に振られています。

これで、矢離れすると、矢筈が分離する弦で右に引っ張られて矢飛びが多少変化します。


ところが、この弦振りを用いると、矢離れの瞬間に弦が左に振れている状態にしてやると、入木による弦の右位置を中和させることも出来ます。



不言がけでなくても、普通の3つがけで正射必中が出来る様になったと思います。

射というのは、色んな要素が大なり小なり関わっていますね。