私は、初就職する前まで、バイトを何個かしたことがある。
弁当屋、引越し屋、めんたいこ工場、紳士服営業など、色々とこなしてきた。
しかし、共通して感じることがある。それは・・・
そのジンクスは、知的障がい者施設での勤務でも一緒だった。
頭の中をぐるぐる回るのは、これまでの福祉教育を一瞬であざけ笑い吹き飛ばした。
「ここでは、優しく指導すると、仕事をしてないとみなされるから、君もきちんと強く指導をしないといけないよ」
バイスティックの7原則は、社会人生活、第1日目に粉々に粉砕された。
バイスティック。日本ではその原則は早すぎたみたいだ。
そんな机上の事は言っても朝は来る。
「俺は、入所者に強く怒る、いや、指導することはできるのか?」
正規労働前の研修期間2日目から、私の足は重かった。
それから、私は毎日、入所者と共にみかんの皮を剥き、入浴の見守りという名の監視・指導を行い、入所者の日常生活を管理し、時間外には、みかん業者に送らなければならないみかんの皮むきノルマをこなすべく、毎日がむしゃらに働いた。
そんな毎日でも、溶け込むように努力をした「これが普通の社会なんだ。きつかったり苦しいほど現実的で認められるんだ。楽しかったり仲良くするのは、規律を乱す甘えでしかないんだ」そう、自分に言い聞かせていた。
そんな折、増田先輩が退職されることを聞くこととなる。
そして、増田先輩から、衝撃の話を気かされる事になるとは・・・