
Kさんは幼少期は虐待、成人してからはDV夫から被害を受け苦しみ生き残ったサバイバーです。
実はKさんは、私が毒親から離れ、自らを癒そうと動いていた時に出会った人でもあります。
家族からの虐待や夫からのDVをどのように乗り越え今どうされているのか?
Kさんのこれまでの人生には沢山のドラマがありました。
それでは紹介したいと思います。
生い立ち
Kさんは曾祖父母、祖父母、両親と今では珍しい3世帯家族の長女として育ちました。
下に弟さんと妹さんがおられます。
実家が農家をされていたこともあり、両親と祖父母は忙しく、あまり相手をしてもらえなかったようです。
曾祖父は戦争体験者で苦労してきた人。
そのせいなのか元々の性格なのか、曾孫に厳しく言葉も乱暴で、Kさんにとっては怖い存在だったそうです。
テレビのチャンネルを変えると「変えるなー!」と言って追い掛け回され、Kさんは泣きながら逃げたとか。
トラウマになりそうな体験ですね。
そんなKさんの唯一の味方は曾祖母。
他の家族と違い、いつもKさんに優しく、味方になってくれたそうです。
家族に一人でもそんな存在の方がいてよかったですね。精神的な影響も大きかったと思います。
ちなみに小学校の時まで一緒に暮らしていた叔母も、Kさんにとって離れた姉のような存在だったようです。
父親はなんでも起用にこなす仕事ができるタイプで表向きは明るい性格でしたが、家では別の顔を持つ、Kさんの家のボス的存在でした。
“黙れよ” “口出すなよ” “うるせーよ”
このセリフは父親が家族に対して言っていた言葉だそうです。
相手に言い返させない否定的な言葉を使って威圧的に大きな声で言われたら誰でも怖いですよね。
父親の機嫌を損ねると家の中の雰囲気が張り詰め重い空気になるので、Kさんを含め、家族は父親のことを怖がっていたそうです。
そして衝撃的ですが、Kさんはこの父親から性的虐待を受けていました…。
母親は男尊女卑思想を持つ父親を立てて上手く立ち回る人だったようですが、裏では父親の文句を言っていました。
Kさんは母親のことが大好きで、いつも母親からの愛情を欲していましたが、下にいる弟、妹に母親を取られ、寂しい想いをした時もあったそうです。
弟は長男で後継ぎとして皆から可愛がられ優遇されることも多く、妹は末っ子として皆に可愛がられ、沢山の愛情を受けて育ちました。
Kさんの実家は田舎で噂はすぐに近所中に広まるため、家族(特に祖母)は人目をとても気にしていました。
家の恥はさらしてはいけないという考えや、父親など大人からの圧力で何か言いたいことがあっても言えないという環境の中でKさんは育ち、感情を抑圧するようになりました。
Kさんはそのうちに心から笑うことができなったそうです。
就職、そして出会い
就職先でKさんは彼と出会いました。
彼は仕事のできる人で人柄も穏やか。役職も持っているエリートでした。
良い人そうだなとその彼にひそかに興味を持っていたKさんでしたが、何かのきっかけで話すようになり、そのまま付き合うようになりました。
ただ付き合い始めは良かったものの、仲が深まるにつれ外では見せない彼の本性が徐々に現れ、Kさんは彼に気を遣い、振り回されるようになっていきました。
Kさんがヘルニアになった時も、彼はKさんを気遣うことなく元々予定していたKさんとの北海道旅行を決行したとか…。
Kさんの体より旅行が大事なのかと言いたいところですね。
ただそれでも彼との将来をあきらめず希望を持っていたKさん。2年の同棲期間を経てついに結婚に至りました。

つらい結婚生活と精神的限界

Kさんの期待とは反対に、Kさんにとってこの結婚生活はとてもつらいものになりました。
夫のモラハラ、DVが輪をかけて酷くなっていったからです。
Kさん同伴でKさんの車を夫が運転していた時のこと。
何を間違ったのか夫は何かに車をぶつけ、車は前輪が浮いた状態で止まったそうです。
ぶつかる直前、「落ちる!危ない!」そう叫びそうになったKさん。
でもそんなことを叫べば夫が怒るのは目に見えてわかるし、その後夫から何をされるかわかりません。怒った時の夫は人を殺めかねない程の鬼気迫った勢いがあるそうで、その恐怖を感じていたKさんは、その時何も言えなかったそうです。
夫への恐怖心の方が強いために、Kさんは反射的に出る「危ない!」という言葉すらも抑えこんでしまったのです。
事故現場は私は見ていないのでわかりませんが、どう考えても100%夫に非がある状況で、その後夫はKさんに謝ることなくむしろKさんのせいだとキレていたそうです。
意味がわからないですね。
ちなみに夫は外ではKさんを怒鳴ることは決してありません。
人の目があるからです。
当時Kさん夫婦は共働きでしたが、Kさんが家事をするのは当たり前、少しでも食事の用意が遅れると夫は不機嫌になり子供のように不貞腐れていました。
夫が怒ると大声で怒鳴り散らし、手が出ます。
夫は暴力でKさんを怖がらせ、コントロールしようとしていました。そのためKさんはいつも夫を怒らせないよう徹していたそうです。
またKさんは夫の言葉の暴力も沢山受けていました。
「ご飯がいまいち」
「掃除が甘い」
「お風呂がぬるい」
「こんなことも出来ないのか」
などです。(他にも沢山あります)
まさに小姑ですね。
夫はこういった言葉をKさんを小ばかにするように日々言っていました。
さらに性的なことに関しても文句を言われていたそうです。。。