相場のあれこれ
ずいぶん長いこと、ブログ更新をサボっていました。
今回は久しぶりに「相場のあれこれ」ということで、記事を書いてみたいと思います。
投資スタイルは人それぞれ違うことでしょう。
そんな中で、私個人が思っていることを書いてみます。
「相場というのは人と同じことをやらないことが基本」だと思います。
「短期間で大きく儲けたい」というのが人情ですが、「短期間で大きく儲けたい」という気持ちが落とし穴になります。
勝利の秘訣は「長期間で少し儲けられたらいい」という真逆の発想にあるように思います。
「急がば回れ」です。
「いかに欲をコントロールし、いかに平静を保てるか」、「ムキにならないこと」…といったメンタルのコントロールが重要です。
しかし、「言うは易く行うは難し」です。
では、どうするか。
単純にポジションを減らせばいいと思います。
FXを例にしますと、普段10万通貨で取引している人は1万通貨で取引する、普段1万通貨で取引している人は1000通貨で取引する…といった具合です。
なぜ、こういう話をするのかと言いますと、相場の世界というのは百戦錬磨のプロ同士がしのぎを削っている世界だからです。
そんな百戦錬磨が跋扈する世界で、同じように切った張ったの勝負をして、果たして勝ち残れるのか?ということなのです。
国内で金(ゴールド)の第一人者で、元外国為替貴金属ディーラーでもある豊島逸夫さんは自身の書籍で以下のように語っていました。
「アマチュアがプロに比べて、優位性をもつ面がひとつある。それはアマチュアには決算期がないということ。毎回、四半期ごとに数字を出さなければならないプロにとって、このことはうらやましい限りである。腰を据えて投資できるという利点を個人投資家はもっと生かすべきであると思う。実際には、プロのマネをして短期勝負で張りたがる個人が多いのだが…」
同感です。
さらに、別書ですが、「錯覚の科学」という本があります。
こちらでは、以下のことが書かれています。
「ある証券会社の6年間の記録によると、売買を頻繁に行う投資家の利益は売買をあまりしない投資家の利益の3分の1以下であることが判明」
こういった理由から、「長期間で少し儲けられたらいい」、「急がば回れ」という冒頭の話に繋がってくるのです。
書店で売られている多くの投資系書籍では、様々なテクニカル分析が紹介され、損切りの重要性が説かれています。
さらに、ナンピンは御法度と説かれています。
しかし、実際どうでしょうか?
損切りが続いて、平静を保てるでしょうか?
ムキにならずにいられるでしょうか?
落とし穴に嵌らないと言えるでしょうか?
ここで、「相場というのは人と同じことをやらないことが基本」に立ち返ると、解決策は以下のようになります。
「損切りポイントを遥か遠くに設定し、ナンピンは大いに有りで、ただしポジションは小さく、きちんと逆算する」です。
これを実践するだけで、勝率は大きく改善するはずです。
さて、ここで相場の見方としてドル円について考えてみたいと思います。
ドルといえば米国、円といえば日本なわけですが、為替の動向を考える際には、経済問題と社会問題が鍵になります。
経済問題で考えると、現在は米国の方が日本よりも優位でしょう。
住宅市場の問題から、サブプライムショック、リーマンショックと続いた米国ですが、その住宅市場が現在は回復を見せています。
ショッピングセンター等の商業施設投資や公共投資関連建設も増えています。
個人消費支出も好調です。
米国では、GDPの約70%を個人消費が占めます。
ちなみに、日本は約60%です。
しかも、米国は先進国で唯一人口が増えている国です。
少子高齢化が進み、4月には消費税増税が控えている日本と比べると、米国経済の方が明るいでしょう。
通常は、為替相場では経済問題が意識されますので、トレンドでみれば、円安ドル高となるでしょう。
しかし、忘れてはならないのは社会問題です。
どの国にも社会問題は存在しますが、米国のそれはかなり酷い状況です。
日本よりも確実に酷いでしょう。
長期失業者が膨大である問題、民間が運営する刑務所の酷い実態などは映画でも紹介されています。
国民のごくひと握りが富を独占する米国で、今様々な社会問題が指摘されています。
これらの社会問題が米国における最大のリスクだと思います。
社会問題が抑えきれなくなったとき、現在のドル高トレンドは一気に逆回転を始めると思います。
最後になりますが、長期投資において大切なのは、相場に対する大局観です。
大局観に沿って投資をしていくことがポイントです。
以前にも度々紹介しているので説明は省きますが、私は最強の通貨は金(ゴールド)であると思います。
金(ゴールド)は、すべての通貨に対して、長期的には上昇していくと思います。