世間が騒がしいと感じる事がよくあります。次から次へと、台風や地震も来ました。幸い台風25号はそれてくれた今日、中之島香雪美術館「ほとけの世界にたゆたう」展を観ました。

 

 静かな雰囲気の中で文字通り、仏の世界にたゆたってきました。

、個人コレクションで大規模なものではありませんが、朝日新聞の創業者、村山龍平の収集品の中から仏教に関係のあるものの展覧会です。

 

 個人コレクションの美術館に素晴らしいものが有ります。収集物をみると、なんと目利きの人達よ!と思います。彼らは経営者としての仕事の合間に、静かな時間を作り、自分に向き合う、或いは趣味に遊ぶ時間を持つことで、物事を一直線ではなく、複線で対象を見る事で、仕事の質の良さを積み上げられたことに気が付きました。

 今回の展示物の中に仏像が有りました。その仏様達を見ていて、「如是我聞」と言う、仏典に出てくる言葉を思い出しました。”このように私は聴きました”自分を無にして、自分を空にして、ひたすら、仏様は何を語ってくださるかを聴くこと。全ての仏様は仏様ご自身の姿を通して見本を示してくださっているのではないかと思います。

  

半跏思惟像

 

 そしてもう一つ、京都国立近代美術館の、「東山魁夷展」はその会場に入った途端、心が静まり、飽くことなく東山魁夷の世界に多くの観覧者にも関わらず、浸ったかのような気持ちになりました。唐招提寺の修復期間中とのことで、御影堂の襖が全て展示されていて、初めて全体の景色を観る事が出来ました。

 鑑真和上の像が祀られている所に画伯が描いた風景。和上がそこに安置されてはいませんが、画家が鑑真和上にとり最もふさわしい景色を描きだされた。それを今回私も共有させていただいた。そのような気持ちになりました。http://kaii2018.exhn.jp/