節分。冬と春の分かれ目。
日の光に春が感じられるし、小鳥のさえずりも春を呼んでいるような。

ベランダには春待つスイトピーのつるが伸び始め、不用意に外に出しておいたアマリリスが寒さに葉を痛めてしまっています。

友人のお父さんの誕生日がその日の頃なので、必ずお誕生日には、電話口で「早春賦」を歌ってお祝いにしていると語ってくれたことがあり、素敵な話だと、心に響き、記憶に残っています。

炒り大豆での豆まきは子供の楽しみだけど、私世代の幼かった頃、それがとても「もったいない」ことで、ほんの一握りを形ばかり撒き、「鬼は外、福は内」とただ一度だけ。それでも、年中行事だからとさせてくれたことを思い出します。

今一つ、家族一人一人の数え年だけ、炒り大豆を数え、それを食べること。大豆は家で気長に祖母が火鉢にフライパンや焙烙(ほうろく)を置いて炒ったものです。もう今は、数が多すぎて一度には食べきれません。

思い出すと、日本中が豊かではないけれど、時間はのんびり、ゆっくり過ぎた時代でした。

スーパーに行くと、山のように積まれた、大豆と飾りに使われている鬼のお面。情緒は消えて、商魂だけだな。と思ってしまうのは、年寄りになった証拠ですね。