今年の文楽新春公演は入場者数が年間10万5千人を超えなければ、大阪市からの助成金は減額されると言うことを、文楽を鑑賞した大阪市長の橋元さんの決断で決められたと言うことでしたが、昨日のニュースで観客数が足りなかったのでおよそ800万円減額、補助金の満額が3000万円ですから、、なんと、大阪市の「けちくさい!」ことと思ってしまいました。


勿論、緊急を要する必要な経費があるのでしょうが、最近の「富士山の自然遺産」決定に対するリアクションの大きさ。自然遺産登録からの努力をみると、しかも、ユネスコがそれを決定するためにはまず登録しなければならないとすれば、「文楽」も決定とされるまでの日本側の努力は大きかったのではずです。「文化遺産」になったと決定されたとき、きっとその喜びは大きかったことでしょう。


私が文楽を見た回数はそんなに多くありませんが、人形遣い、浄瑠璃語の表現者としての非常に高度な技術は、長い年月の修行の結果でしか表し得ないものだと思います。この素晴らしい文楽を何時までも続けて頂きたいと心から願いです。


ヨーロッパのオペラやクラシック音楽も補助金無しでは経営が成り立たない。それでも国の誇りを保つ。文化の華を保つために努力していると聞きます。


大阪の持つ大きな財産の一つが「文楽」ではないでしょうか。海外から来た友人を案内したときに彼女はその繊細さと美しさに感動していました。内容が理解できたかどうかはわかりませんが、”魅せる”芸術だとそのときに感じました。


どこかで大阪市は無駄を省けば、きっと800万円くらいは造作ないと思うのは、勝手な考え方なのでしょうか?未来に対して財を積むことが、より大きな力を生む基本だと思いますし、特徴ある演劇形態としての文楽は大阪の顔でもありますし、観光客を呼び込む洗練された「文化」で。説得させる力を文楽は持っていると少なくとも私は考えています。