蘇生.net-blog-藍染め

長い間、カーテンとして使っていたのは、型置き藍染めの中国の素朴な布。とうとう破れて使えなくなりました。


友人が中国文化大革命が終わった鄧小平時代(1980年代)に買ってきてくれた布は、本藍に型置きした、素朴なものでした。破れてしまっては使えません。残念!


大阪千里の万博公園内にある、民族博物館にも同じ種類の布が展示されていましたが、私が使っていた布と比べて、格段にその品質が落ちていると感じました。民芸品としての良さが見えません。大量生産された無愛想さで本来の良さが完全に消えていました。自分のものを過大評価しているのかもしれませんが。手の技のぬくもりが伝わってきません。


今、中国製品は悪いものの代名詞になっていますが、共産主義の余光が残っていた頃の中国に、丁寧に作られた品物や、素朴な人々にたくさん会うことができました。


そんな記憶と、今報道されている中国を比べ、その落差に一般の中国人は生きるのが大変だろうなと思ってしまいます。


きっと、時代が落ち着いてきたら、中国でも伝統工芸や民芸品が再びよみがえってくるのではないかと、そんなことを願っています。


台湾の故宮博物館に行きますと、とても精緻な品々が展示されています。それほどの美に対する意識を持って長い歴史を超えてきた民族ですから。きっと。