IKKTの森 再生の森は日本人 森本喜久雄んが長い戦乱で断絶しようとしていたカンボジアの伝統織物の復興と再生。そのための担い手である農村部の貧困家庭の女性たちの自立、生活支援にまで広がってきた、「新しい村」での活動のお話しを聞く機会がありました。

 村の女性たちの織物を見せていただきましたが、伝統的な絹の草木染めによる絣模様。繊細で高貴で美しいという素晴らしい織物でした。

 機械ではなく、道具で織ると言うこと。大量生産ではない昔ながらの手法で蚕を飼い、繭から糸を繰り、染、織り上げる大変長い工程ですが、そこで産み出されたものは飽きることなく大切に使い継がれていくのではないかと思います。日本でも絹織物の”結城”は昔から三代、親、子、孫になって初めてしっとりと着慣れて来ると言いますように。

 森本さんはカンボジアの人たちの”自立”という視点。カンボジアの文化を尊敬するという視点に立っておられることが伝わってきました。

 普段、目にする新聞やTVは如何に儲けるか。如何に先端技術を使うかで競争しています。それで良いとすることに、何の疑問も感じないようにさせられています。これは、植民地主義となんの代わりもない収奪による、より安い労賃や原料を漁(あさ)ることで得た富ですが、カンボジアでの森本さんのなさり様は、対局にあります。

 森本さんの行いの様は日本人に受け継がれてきたものですが、今はすっかり忘れ去られようとしている基本的な資質をではないかと思います。
 拝金主義でないところが、何か未来の理想を作り上げる礎になりそうな気がします。

 会場での質問の中に、金銭的にはどうですか?という答えに、「お金は貯まりません。自分の役目は、ここにいる人達の給料を払い育てていきこと。そのように回してゆくことです」と言われていました。
http://www.iktt.org/?

 製品はSien Reapでしか売られていないそうです。そこにはゲストハウスがあり、年間200人くらいの日本人が訪れ、見学をし購入されているということです。