健康に一番良い食べ物は、旬のもの。誰でも知ってはいるのですが、スーパーで売られている野菜はあらゆる季節のものが並んでいて、どれが旬のものかわかりません。

 私の母や、祖母の頃の野菜の購入の仕方は、”霜”が降ると根菜類や白菜、キャベツが甘く柔らかくなると言って、田舎から売りに来る人に、「あんたとこもう霜降った?」なんて質問し、魚やさんでも、「今なにが美味しいの? どう料理するの? どこで取れたの?」と実に様々な質問をし、納得の上買っていました。食べ物に対する知識や情熱は、思い出せば半端ではありませんでした。

 スーパーではそんな質問はしません。ただ目で見て、新しそうだ、綺麗だから、この野菜の料理の仕方を知らないから買わない等々。非常に消極的な買い物をしています。その結果、野菜が持つ本来の味、新しい魚の身離れの良さなどを体験することが少なくなっているようです。

 一方、仕入れをする側は、丈が揃っているものや、色が綺麗に見えるように、ワックスをかけることを求めたもの、時間経過によって黒ずまないように薬品処理を・・・。みんな外見にこだわって売り、そんなことが普通だと、買い物をしています。

 スーパーでパートをしていた友人が、スイカなどカットして売っているものは、絶対買わない。と言っていましたし、弁当屋さんに勤めていた友人も、自分が販売している弁当は買いたくないと言っていました。

 で、騙されて買っているのは、何も知らされていない、一般の消費者。

 これって、福島原発事故で膨大に放出された放射能の実際の値を知らせることなく、「大丈夫」と言った、為政者や関係者の態度と何ら変わることなく、それを知らされた今、もう諦めざるを得ないと納得してしまう、という日本人の性(さが)でしょうか?